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酵素添加による飼料消化率の向上


[要約]
スーダン乾草およびTMRに酵素を添加すると、in vitro消化率が向上する。特に、ペクチナーゼ・キシラナーゼ複合酵素は飼料消化率の改善に有効である。

[キーワード]
酵素、乳用牛、消化率、in vitroin situ

[担当]
福岡農総試・家畜部・乳牛チーム

[代表連絡先]電話092-925-5231	
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(大家畜)	
[分類]科学・参考	

[背景・ねらい]
泌乳初期牛のエネルギー不足を解消するためには、飼料の消化率を高めて、飼料の第一胃内通過速度を速め、乾物摂取量を増大させることが重要と考えられている。
最近、海外では、泌乳初期牛における飼料への酵素添加の影響が報告され始めた。飼料に酵素を添加し、消化率が改善されれば生産性の向上が期待される。しかし、現状では消化率改善効果についての詳細なデータが不足している。
in vitroおよびin situ法は、実際の泌乳牛における飼料消化率と高い相関を持つ。本試験では、泌乳牛への酵素給与に資する知見を得るため、in vitroおよびin situ法を用い、3種の酵素の添加効果を比較・検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. in vitro試験において、スーダン乾草に酵素を2%添加すると乾物およびNDF消化率は向上する。特に、ペクチナーゼ・キシラナーゼ複合酵素では無添加に比べ、乾物で3.4%、NDFで4.4%、消化率が向上し、繊維消化率の向上に有効である(表1)。

  2. TMRのin vitro乾物消化率は、酵素添加により改善される。ペクチナーゼ・キシラナーゼ複合酵素の添加では、培養後3時間および6時間の消化率が、無添加と比べて、2.8%および3.7%向上する。また、培養後24時間における消化率は、無添加と比べ、ペクチナーゼ・セルラーゼ・プロテアーゼ複合酵素の添加で2.8%、プロテアーゼ・セルラーゼ複合酵素の添加で2.3%向上する(表2)。

  3. in situ法において、ペクチナーゼ・キシラナーゼ複合酵素は、スーダン乾草の乾物消失率を改善する。その効果は、ルーメン内培養12時間以降に顕著となる(図1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 泌乳牛において、飼料へ添加する酵素を選定する際の参考となる。

[具体的データ]

表1 スーダン乾草のin vitro消化率


表2 TMRのin vitro乾物消化率の推移


図1 スーダン乾草のin situ乾物消失率に及ぼす酵素添加の影響

[その他]
研究課題名:泌乳牛におけるTMRへの酵素添加効果
予算区分 :県単
研究期間 :2002〜2005年度


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