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「させぼ温州」の芽かきとジベレリン散布による生理落果の軽減


[要約]
新しょう発生が多い「させぼ温州」に対し、花の周辺部を芽かきしたうえで、ジベレリン25ppmまたは50ppmを満開7〜8日後に散布すると生理落果を軽減することができる。

[キーワード]
させぼ温州、新しょう、生理落果、ジベレリン、芽かき

[担当]
長崎果樹試・生産技術科

[代表連絡先]電話0957-55-8740	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
若齢樹の「させぼ温州」は、発生する芽の数が多いことなどから生理落果しやすい。着果が少ない場合は、大玉果となり高品質な果実を安定生産できない。そこで、植物生育調節剤ジベレリンによる生理落果軽減の実用性を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 新しょう発生が多い樹に対して、開花前に芽かき処理すると結実率が向上する(図1)。さらに、ジベレリン(25〜50ppm)を散布すると着果数および結実率が有意に高くなる(表2)。新しょう発生が少ない樹は結実率が高く、芽かきの効果は新しょう発生が多い樹で高い(図1)。

  2. 新しょう発生が多い樹に対し、芽かき処理した上でジベレリンを散布すると結実率が高くなり着果数も増加する。特に有葉果の着果に顕著な効果がみられる(表2)。

  3. ジベレリンの濃度は、25ppmより50ppmの散布効果が高くなる傾向であるが有意な差ではない(表1表2)。

  4. ジベレリン散布による新しょう伸長への影響は小さい(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. ジベレリン散布は新しょう発生が多い樹に行い、幼果に充分量の薬液がかかるように散布する。

  2. 本成果は、側枝単位で芽かきとジベレリン散布を行った結果である。

[具体的データ]

図1 新しょう発生程度の異なる樹に対する芽かき効果(2003)


表1 新しょう発生量の多少が混在した樹に対する芽かきとジベレリン散布の生理落果軽減効果(2000)


表2 新しょう発生が多い樹に対する芽かきとジベレリン散布による生理落果軽減効果(2004)

[その他]
研究課題名:長崎ブランド「出島の華」の安定生産技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2004〜2007年度


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