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カボスのハウス栽培におけるヤニ果の発生要因


[要約]
カボスのハウス栽培では、かん水による急激な果実肥大後にヤニ果が多発する。

[キーワード]
果樹、カンキツ、カボス、ハウス栽培、ヤニ果、生理障害、果実肥大

[担当]
大分農林水産研果樹・津久見試験地

[代表連絡先]電話0972-82-2837	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
カボスのハウス栽培、特に加温ハウスではヤニ果と呼ばれる生理障害果が発生する。ヤニ果は果皮内部で発生し、外観からの判別が困難なため、流通段階で問題となることが多い。そこで、ヤニ果発生要因の解明のため、果実肥大および肥大時期とヤニ果発生の関係について検討し、栽培管理の改善により品質向上を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. 満開後40日目から土壌乾燥処理を行い、その後、満開後70、80、90日目にかん水を再開すると、土壌水分の増加にともない急激な果実肥大が起こる(図1)。

  2. 急激な肥大後肥大量は鈍化する。(図1)。

  3. ヤニ果は急激な果実肥大の後に多発する。(図2)。

  4. 満開後70日のかん水でヤニ果が最も多発する。(図2)。

  5. ヤニ果発生程度が高いほど、低糖、低酸の傾向にある(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. カボスの加温ハウス栽培では、着果後のかん水は定期的に行い、土壌水分を急激に変動させない。

  2. ヤニ果の発生が確認された場合、収穫が遅くなるほど発生率が高くなるので、果汁量が十分になれば、早めに収穫する。

  3. 急激な肥大と果実組織の変化についての検討が必要である。

[具体的データ]

図1 果実肥大と土壌水分


図2 果実肥大量(10日間)とヤニ果発生率


表1 ヤニ果発生程度と果実品質

[その他]
研究課題名:カボスの早期加温栽培技術の確立と生産安定
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2003年度


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