加温ハウス栽培ポンカン「薩州」の栽培管理法
- [要約]
- ハウス栽培「薩州」は、1月下旬から最低温度摂氏16度で加温開始し、4月下旬から最低温度摂氏20度で管理すると、11月下旬〜12月上旬に収穫できる。
- [キーワード]
- ポンカン、加温、ハウス栽培、薩州
- [担当]
- 鹿児島果樹試・栽培研究室
[代表連絡先]電話0994-32-0179
[区分]九州沖縄農業・果樹
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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ポンカンの加温ハウス栽培はこれまで「太田ポンカン」が中心であったが、樹勢が弱く収量が低いことが課題となっている。当県で育成した「薩州」は収量が多く、糖度が高い品種特性を持つことから、12月上旬に完全着色で糖度の高い果実を安定して生産する作型を検討する。
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[成果の内容・特徴]
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ポンカン「薩州」の加温によるハウス栽培では、1月下旬に加温開始すると、満開期が3月上旬、生理落果期が3月中旬〜4月下旬、着色始期が9月中旬、収穫期が11月下旬〜12月上旬となる(表1、表2)。
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温度管理は最低摂氏16度、最高摂氏24度で加温を開始し、生理落果期以降は最低摂氏20度、最高摂氏27度とする(表3)。
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土壌水分管理は、加温開始から開花前までをpF2.0、開花期から8月までをpF2.4、9月から収穫期までをpF2.9とする。収穫期の果実品質は糖度13度、クエン酸0.9%となる(表4、図2)。
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[成果の活用面・留意点]
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天井ビニルを除去する前に、土壌水分管理ができるよう透湿性シートマルチを設置して、シート下にはかん水チューブ等を設置する。
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9月以降のpF値が低く推移した場合には、果実品質へ悪影響を及ぼすため、台風等で雨水が流入しないようにする。
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[具体的データ]
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表1 「薩州」加温ハウス栽培の管理概況
図1 加温ハウス栽培「薩州」の管理体系
表2 加温開始日の違いが着色歩合に及ぼす影響(2004年)
表3 収穫時期別の着色歩合(2004年)
図2 土壌水分の推移(2002年・2004年)
表4 加温ハウス栽培「薩州」における収穫時の果実品質
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[その他]
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研究課題名:高品質ポンカンの連続出荷体系技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2004年度
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