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イチゴ高設栽培に適したバークを主体とした低コスト培養土


[要約]
イチゴの高設栽培では、培養土量が多いほど生育が良く、商品果収量が多くなる。培養土量が株あたり4Lの高設栽培において、バーク、バーミキュライト、ボラ土を6:2:2で混合した培養土を使用すると、慣行の培養土と比べ、同等以上の生育・商品果収量が得られる。また、培養土量を増やしても、従来の少量培地に比べ、培養土にかかるコストは低下する。

[キーワード]
イチゴ、培養土量、高設栽培、培養土、コスト

[担当]
福岡農総試・野菜栽培部・イチゴ栽培チーム

[代表連絡先]電話092-922-4364	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
福岡県のイチゴ栽培では、近年、作業姿勢改善や省力化を目的として高設栽培の導入が進んでいる。しかし、初期導入コストが高いこと、栽培管理が煩雑であること、必ずしも収量増にはならないことから、従来の少量培地の高設栽培に対して、栽培管理の簡易化や低コスト化、収量の増加が求められている。そこで、イチゴの高設栽培において、養水分に対する緩衝能を大きくするための培養土量について検討するとともに、バークを主体とした低コストな培養土の選定を行う。

[成果の内容・特徴]
  1. 同一のかん水・肥培管理を行った場合、培養土の量を4L/株にすると生育が良好で商品果収量も多い(表1表2)。

  2. バーク:バーミキュライト:ボラ土を6:2:2で混合した試作培養土を用いると従来の培養土を用いた場合と同程度の生育を示し、商品果収量も同等である(表3図1)。

  3. 慣行の培養土2L/株の場合より試作培養土4L/株の方がコストは低い(表4)。

[成果の活用面・留意点]
  1. イチゴ「あまおう」の高設栽培技術として活用できる。

  2. 試作培養土を連用する場合、培養土のほぐし及び目減り分の追加を行い、初期生育の肥培管理に留意する。

[具体的データ]

表1 培養土量と株の生育(平成15年1月9日調査)


表2 培養土量と時期別商品果収量の推移(平成14年度)


表3 培養土の種類と株の生育


図1 培養土の種類と時期別商品果収量(平成15、16年度)


表4 培養土のコスト比較

[その他]
研究課題名:イチゴ高設栽培における安定多収技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2002〜2004年度


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