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アスパラガスの2次分枝の早期除去による増収


[要約]
アスパラガスの半促成長期どり栽培では、親茎の2次分枝の除去を6月末までに完了すると上物収量および単価の高いL級以上の収量と割合が増加する。

[キーワード]
アスパラガス、2次分枝、除去、L級

[担当]
長崎総農林試・作物園芸部・野菜科

[代表連絡先]電話0957-26-3330	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
アスパラガスの半促成長期どり栽培では、夏秋期の管理として採光および通気不良による高温障害や病害虫発生を防止するために2次分枝を随時除去するが、収量への影響については不明である。またアスパラガスの単価はL級以上が最も高く、次いでM級(L級の2割安)、S級(L級の4割安)と階級による価格差が非常に大きいので、アスパラガスの生産者は太もの志向が強い。
そこで2次分枝の除去期間が上物収量およびL級以上の収量と割合に及ぼす影響を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
アスパラガスの親茎摘心後の2次分枝を「除去しない」、「6月末まで除去」、「7月末まで除去」、「8月末まで除去」した場合を比較すると、

  1. 上物収量とL級以上の収量および割合は、6月末までに2次分枝除去を終了した方が年間を通じて最も高くなる(図1図2)。

  2. 夏芽は、6月に引き続いて7月以降も2次分枝を除去するとL級以上の収量が減少し、上物収量に対する割合が低下する(表1)。

  3. 翌年の春芽は、6月以降8月末まで除去すると上物収量だけでなく、L級以上の収量も減少し、上物収量に対する割合も低下する(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. アスパラガスの半促成長期どり栽培地域に適用できる。

  2. ただし高温期に通気不良や病害発生が心配される圃場では、7月以降も2次分枝を間引く必要がある。

[具体的データ]

図1 5年生株の2次分枝の除去期間とL級以上の収量と割合


図2 7年生株の2次分枝の除去期間とL級以上の収量と割合


表1 2次分枝除去と夏芽および春芽のL級以上の収量と割合

[その他]
研究課題名:施設野菜の次世代型栽培技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2006年度


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