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ピーマンの雨よけ栽培における側枝の間引きによる収量調節技術


[要約]
ピーマンの雨よけ栽培において、7月中旬に側枝を3割程度間引くことで、月別収量が平準化し、秀品率が向上する。また、夏季の側枝の間引きによる着果量制御により、作業負担が軽減され、労働効率が改善される。

[キーワード]
ピーマン、雨よけ栽培、収量、平準化、間引き

[担当]
大分農林水産研野茶・野菜担当

[代表連絡先]電話0974-22-0671	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
ネット誘引によるピーマンの雨よけ栽培では、ハウス内が最も高温になる夏季に収穫ピークをむかえ、作業負担が最も大きくなる一方で、生産量が増加することから単価が低下するため、労働効率は最も低くなる。このため、夏季の着果量を制御することで全体の作業負担の軽減と、労働効率の改善が必要と考えられる。そこで、夏季の着果量を制御するための収量調節技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 着果量を制御する方法は、1次分枝節から第3〜4節目の位置で側枝の3割程度を間引いた場合(図1)に、ピーク時期の収量を抑制され、月別収量は最も平準化する(図2)。

  2. 間引きの時期は7月中旬に行った場合、月別収量は最も平準化する(図3)。

  3. 間引き後は、日照条件や栄養条件が改善されて果形が良好になり、A品率が向上する(図3)。

  4. 側枝の先端の3割程度を一斉に摘心した場合は、側枝の間引き方法に比べ、8月の収量の減少が著しい(図3)。

  5. 間引きした場合の総収量は、対照とほぼ同等であるが、高単価時期の収量が増加するため販売額は増加する(表1)。

  6. 間引き作業には20時間/10a程度要するが、収穫に要する時間が減少するため、合計の作業時間では同程度である(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 間引き時期の目安は、3月下旬定植で7月中旬の節数が15〜17節の場合を基準としている。定植時期や初期生育の状態が異なる場合は、間引き時期を調節する。

  2. 草勢が弱い場合は、間引きにより著しく減収する場合もあるので行わない。

[具体的データ]

図1 ピーマンの側枝の間引き方法


図2 ピーマンの間引きの程度別の収量推移(2004年)


図3 ピーマンの整枝法別の収量、品質の推移(2003年)


表1 ピーマンの総収量、販売額、並びに労働時間の比較(2003年)

[その他]
研究課題名:夏秋ピーマンの省力・軽作業栽培の確立とカラーピーマンの栽培技術確立
予算区分 :県単
研究期間 :2002〜2006年度


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