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ジベレリン処理わい性サヤインゲンの施肥改善と栽植密度


[要約]
株間40cm・3粒播き2本仕立てと、リニア型・140日溶出・50%緩効率の被覆尿素入り配合肥料(15-10-10)を10a当たり140kg全量基肥施用することで、ジベレリン処理わい性サヤインゲンの安定多収・省力栽培が可能である。

[キーワード]
わい性サヤインゲン、栽植密度、全量基肥

[担当]
沖縄県農業試験場・園芸支場・野菜研究室

[代表連絡先]電話098-973-5530	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
沖縄県では冬春期サヤインゲンの生産量が大幅に減少している。わい性サヤインゲンのジベレリン処理による収量増と収穫の軽労化が図られつつあるが、ジベレリン処理栽培における仕立て法や施肥管理はまだ確立されていない。そこで栽植密度の検討と、被覆尿素入り配合肥料を利用した全量基肥体系による軽労化を促進し、安定多収栽培に寄与する。

[成果の内容・特徴]
  1. 70%緩効率の被覆尿素入り配合肥料を全量基肥施用すると(表1)、「サーベル」では慣行施肥以上の「キセラ」では同等の収量が得られ(図1)、軽労化が促進される。

  2. 被覆肥料は慣行施肥に比して初期生育が若干劣るが(表2)、これは緩効率70%の場合、生育初期が低温期に当たり窒素溶出が抑制されるためと考えられるので(図2)、初期生育の促進とコストの面から緩効率は50%が適する。

  3. 栽植密度が高いほど増収するが、播種量(株穴×3粒)とマルチ穴開けの手間を考慮すると、株間40cm・3粒播き2本仕立てが適する(表3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 農家の栽培指導に活用する。

  2. 施肥については、ジベレリン処理を行わないわい性サヤインゲンにも適用可。

  3. 被覆窒素肥料の緩効率50%については、普及センターで実証試験を実施済み。

[具体的データ]

表1 施肥設計


図1 被覆窒素肥料の効果(収量:積算)


表2 初期生育(播種後50日)


図2 緩効率の違いが窒素溶出に及ぼす影響


表3 等級別収量

[その他]
研究課題名:サヤインゲンの安定多収生産技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2002〜2004年度


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