SSR法によるイチゴの品種識別
- [要約]
- イチゴの品種識別を目的にSSRマーカーを開発した。本マーカーは、葉や果実のガク片から抽出したDNAを用いて、本県で育成したイチゴ新品種「福岡S6号(商標名:あまおう)」を含む12の品種を相互に識別できる。識別に要する期間は、AFLP法の半分の2日程度である。
- [キーワード]
- イチゴ、品種識別、SSR
- [担当]
- 福岡農総試・野菜育種部・野菜育種チーム
[代表連絡先]電話092-922-4930
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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近年、国内で育成された品種が、海外で違法に生産、輸入される事例が増加し、国内農業の振興や育成者権の保護を図る上で問題となっている。本県で育成したイチゴ新品種「福岡S6号」の育成者権保護と、イチゴの生産振興を図るため、AFLP法による品種識別技術を確立した(平成15年度)が、識別に4日程度要することから、さらに短期間で識別できる技術を開発する。
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[成果の内容・特徴]
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イチゴのSSR(Simple Sequence Repeat)マーカーを国内で初めて開発した。表1に示したプライマーを用いたPCRによって、識別に有効な多型を得ることができる。
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開発したSSRマーカーにより、本県で育成したイチゴ新品種「福岡S6号(商標名:あまおう)」等主要な栽培品種を含む12品種を相互に識別できる(図1、表2)。
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品種識別に要する期間は、AFLP法の半分の2日程度である(手法略)。
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[成果の活用面・留意点]
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本マーカーは、DNAシークエンサーによって検出できるほか、ポリアクリルアミドゲル電気泳動装置等の比較的安価な器材でも実施できる(図1)。
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[具体的データ]
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表1 イチゴSSRマーカー検出用プライマリーの塩基配列
図1 プライマ-1Aにより検出されたSSR多型(7M尿素変性5%PAGE)
表2 SSR多型によるイチゴ主要品種の識別
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[その他]
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研究課題名:SSR法による「あまおう」等イチゴ品種識別マーカーの開発
予算区分 :国庫(先端技術を活用した農林水産研究高度化事業)
研究期間 :2002〜2004年度
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