Navigation>>九州沖縄農業研究センター >> 研究成果情報 >> 平成17年度目次

根こぶ病に強いナバナ新品種候補系統「豊前2号」


[要約]
ナバナの新系統「豊前2号」は、根こぶ病に耐病性で、普及系統「豊前1号」に比べ、収穫物1本当たりの重量が重く、収量が多い。食味は「豊前1号」、「宮内菜」と同等であるが、ルテイン含量が高い。

[キーワード]
ナバナ、根こぶ病耐病性、収量、ルテイン含量

[担当]
福岡農総試・豊前分場・野菜水田作チーム

[代表連絡先]電話0930-23-0163	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
本県は三重県に次ぐナバナの主産県である。県内では京築地域で栽培が盛んで、水稲後作の重要な品目となっている。しかし近年、普及系統、品種である「豊前1号」、「宮内菜」に土壌伝染性病害である根こぶ病が発生し、ナバナ栽培上の大きな問題となっている。根こぶ病は薬剤による防除が難しく、耕種的にも有効な防除法がない。
そこで、根こぶ病に対して耐病性で、収量や品質に優れる品種を育成する。

[成果の内容・特徴]
  1. 根こぶ病耐病性ルタバガ品種「WYE」に、豊前分場育成系統「豊前1号」を3回戻し交配し、自殖することにより、新系統「豊前2号」を育成した。

  2. 「豊前2号」は根こぶ病の発生が甚大な汚染圃場においても、強い耐病性を有する(表1)。

  3. 収穫物1本当たりの重量は「豊前1号」より重く、総収量は「豊前1号」、「宮内菜」より多い(図1)。

  4. 食味は「豊前1号」、「宮内菜」と同程度で、機能性成分であるルテイン含量は「豊前1号」、「宮内菜」より高い(表2)。また、栄養成分であるCa含量も「宮内菜」より高い(データ略)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 品種登録出願(平成18年3月予定)後、「豊前1号」、「宮内菜」に替わる優良品種として普及できる。

[具体的データ]

表1 育成系統の根こぶ病汚染圃場における発病程度(2005年1、3月調査)


図1 ナバナ育成系統の時期別収量


表2 育成系統の品質

[その他]
研究課題名:ナバナ根こぶ病抵抗性系統の育成、ナバナ根こぶ病抵抗性品種の育成
予算区分 :県単
研究期間 :2000〜2004年度


目次へ戻る