DNAマーカーによるタマネギの品種識別
- [要約]
- タマネギ25品種では、19種類のSTSマーカー全てで同様の保有率を示す品種が認められないことから、これらの品種と不明品種でマーカー保有率の有意差検定を行い、いずれのマーカーでも有意差が認められない場合は同一品種の可能性が高い。
- [キーワード]
- タマネギ、DNA、STSマーカー、品種識別
- [担当]
- 佐賀農業セ・バイオテクノロジー部・野菜育種研究担当
[代表連絡先]電話0952-45-2141
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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DNAマーカーを利用した品種識別法は、近年、様々な植物で確立されているが、タマネギは他殖性作物でヘテロ性が強いことから、本手法による識別は困難とされてきた。しかし、ホモあるいはヘテロの遺伝領域は、品種の特性を維持するため常に一定に保たれていると考えられることから、各品種のマーカー保有率を利用したタマネギの品種識別法を開発する。
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[成果の内容・特徴]
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DNAマーカーによる品種識別は、(独)農林水産消費技術センターで開発された19種類のSTSマーカーを用いてできる(図1)。
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タマネギ25品種における各マーカーの保有率は、品種間で大きく異なっており、19種類全てのマーカーで同様の保有率を示す品種は認められない(表1)。
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品種識別のためには、15個体で各マーカーの保有率を調査し、マーカー毎に既知の品種と「2群の比率の差の検定」を行う。この結果、いずれマーカーでも有意差が認められない場合は、同一品種の可能性が高い(図2)。
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[成果の活用面・留意点]
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供試した25品種は、現在佐賀県で作付けされているほぼ全ての品種である。
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より精度の高い品種識別を行うためには、調査個体数をさらに増やす必要がある。
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他の共同研究機関の結果を合わせると、現在、国内外のタマネギ70品種のマーカー保有率が明らかとなっている。
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[具体的データ]
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図1 タマネギの品質識別に用いる19種類のSTSマーカー
表1 佐賀県内で作付けされているタマネギ全25品種における19種類のSTSマーカーの保有率
図2 STSマーカーの保有率比較による品種識別手順
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[その他]
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研究課題名:タマネギ産地判別法の開発
予算区分 :受託(高度化事業)
研究期間 :2003〜2005年度
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