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水耕栽培におけるアイスプラントの栽培時期別生育量


[要約]
水耕栽培においてアイスプラントを栽培する場合、8月期播種で約90日後に1株300g、10月期播種で約60日後に180g、12月期播種で約90日後に180g、2月期播種で約70日後に270gの地上部が収穫できる。しかし、6月期播種では晩夏に開花し、地上部の商品性はない。

[キーワード]
アイスプラント、水耕栽培、生育

[担当]
佐賀農業セ・三瀬分場・山間畑作研究担当

[代表連絡先]電話0952-56-2040	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
アイスプラントは南アフリカ原産の多肉植物である吸塩植物であり、NaClを吸収するため茎や葉は塩味を示し、独特の食感とともに特徴ある食材として実需者から期待されている。アイスプラントの水耕栽培における季節毎の生育反応は明らかでないため、年間の生育を把握する。

[成果の内容・特徴]
  1. 8月下旬(8月25日)に播種すると播種後22日には本葉4枚程度になり定植可能となる。また、定植後69日目(11月24日)には株張りは50cmを越え、地上部重は300gとなることから(表1)、10月中旬には商品性があるものが十分収穫できる。

  2. 10月上旬(10月1日)の播種では播種後26日で定植可能となり、定植後33日目(11月29日)には株張りは30cmを越え、地上部重は180gとなる(表1)。

  3. 12月中旬(12月14日)の播種では播種後45日で定植可能となり、定植後45日目(3月14日)には株張りは30cmを越え、地上部重は180gとなる(表1)。

  4. 2月下旬(2月24日)の播種では播種後27日で定植可能となり、定植後40日目(5月2日)には株張りは40cmを越え、地上部重は270gとなることから(表1)、4月下旬には商品性があるものが収穫できる。

  5. 6月下旬(6月21日)の播種では播種後17日で定植可能となるが、定植後40日程度で開花し、地上部の商品性はない(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 水耕栽培でアイスプラントを導入する場合の参考となる。

  2. 商品として十分な収量が得られると判断した時期以降に収穫調査を行い、分子数5〜6、株張り20〜30cm、地上部重150gを目安とした。

  3. 水耕栽培の方式はNFT方式(葉菜用)で、50穴の発砲スチロールパネル(60cm×90cm)の25穴に千鳥定植(栽植密度46.3株/m2])し、培養液管理は循環式で大塚ハウス処方で行った(EC:2.5程度)。

[具体的データ]

表1 播種時期の違いとアイスプラントの生育(2004〜2005年)


図1 アイスプラントの収穫物(2005年5月)

[その他]
研究課題名:吸塩植物アイスプラントの佐賀県特産野菜化に関する研究
予算区分 :受託(高度化事業)
研究期間 :2004〜2005年度


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