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圃場内貯蔵性が高い浅根性のレンコン新品種候補「さが白祥」


[要約]
「金澄5号」に中国から導入した「8143」を交配し、「さが白祥」を育成した。「さが白祥」は圃場内での貯蔵性が高いため1月以降に収穫しても収量が目減りしない。また、浅根性のため収穫作業時間を10aあたり3時間短縮できる。可食部の肉質は、軟らかく粘りが強い。

[キーワード]
レンコン、圃場内貯蔵性、浅根性

[担当]
佐賀農業セ・白石分場

[代表連絡先]電話0952-84-5169	
[区分]九州沖縄農業研究・野菜花き	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
レンコンは、白石平野を中心に県内で約300haの作付けがなされており、露地野菜のなかではタマネギに次いで作付面積の多い品目である。現在の主要品種では、1月以降に肥大茎の下位節位が枯れ上がるため収量の目減りや品質の低下が問題視されている。一方、高齢化や後継者不足のため労働力が不足していることから、収穫しやすい品種の育成が望まれている。そこで、レンコンの作付面積の増加、経営の安定化を図るため、圃場貯蔵性が高く、浅根性でかつ高品質な新品種を育成する。

[成果の内容・特徴]
  1. 「金澄5号」と中国から導入した「8143」の交配により「さが白祥」を育成した。

  2. 「さが白祥」は、「金澄8号」より圃場における貯蔵性が高い。そのため、3月に収穫した場合、「金澄8号」より収量が10aあたり600kg多い(表1表2)。

  3. 「さが白祥」は、「金澄8号」より浅根性であり耕盤への入り込みが少ない。そのため、収穫作業時間を10aあたり3時間短縮できる(表1表3)。

  4. 根茎肥大開始時期は、「金澄8号」より遅い(表1)。

  5. 「金澄8号」より肥大茎が肉厚である。また、可食部の肉質は、「金澄8号」より軟らかく粘り(もちもち感)が強い(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 平成16年7月9日に品種登録出願し、平成17年6月23日から出願公表中である。

[具体的データ]

表1 「さが白祥」の特性(「金澄8号」との比較)


表2 時期別収量(2000年度)


表3 収穫作業時間

[その他]
研究課題名:食用ハス(レンコン)の育種
予算区分 :県単
研究期間 :1991〜2000年


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