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諫早湾中央干拓地における春作マルチバレイショの植付適期


[要約]
諫早湾中央干拓地における春作マルチバレイショの植付適期は、梅雨入りまで摂氏1,040度以上の生育積算温度が確保され、晩霜害の危険が少ない2月下旬がよい。

[キーワード]
春作マルチバレイショ、植付適期

[担当]
長崎総農林試・企画経営部・干拓科

[代表連絡先]電話0957-35-1272	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き、野菜	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
春作マルチバレイショの生産安定には、梅雨入りまでの生育期間を十分確保することが必要であるが、早植えは霜害の危険が高い。そこで、霜害の危険が少なく、かつ生育期間を確保できる植付時期について、諫早湾中央干拓地の気象値に照らして設定する。

[成果の内容・特徴]
  1. 平成13〜16年の標準的な植付(品種:デジマ、窒素14kg/10a)は2/20前後であり、出芽期は3/20前後、萌芽揃い期は3/25前後であり、晩霜の被害はなく営農計画の目標収量(3,200s/10a)以上の収量を確保できる。(表1

  2. 植付から萌芽揃いまでの積算温度の平均は摂氏356度である。(表1

  3. 萌芽後の生育積算温度の平均は摂氏1064度であり、生育積算温度と収量の関係から目標収量3,200kg/10aが得られる生育積算温度は摂氏1,040度である。(図1

  4. 晩霜日までに積算温度摂氏358度を確保できる時期を早植えの限界、梅雨入りまでに生育積算温度摂氏1,040度を確保できる時期を晩植えの限界とすると、2/5〜3/6の間となる。
    4月上旬の晩霜を考慮すると2/5〜3/6の中間日以降の植え付けが霜害の危険が少なく、植付け適期である。(図2

[成果の活用面・留意点]
  1. 「デジマ」を標準品種として、萌芽揃い期までの積算温度をもとにした萌芽揃い期の予測、生育積算温度をもとにした収穫量及び収穫期の予測が可能となり、諫早湾干拓初期営農対策指針の基礎資料として適用する。

  2. 出芽期の日中マルチ下は高温となり、葉焼けなどの障害が発生する危険があるので目出し作業はこまめに行う。

[具体的データ]

表1 年次別の出芽期及び萌芽揃い期


図1 生育積算温度と収量


図2 平成13〜15年の早植えの限界と晩植えの限界

[その他]
研究課題名:諫早湾干拓営農対策試験
予算区分 :県単
研究期間 :2000〜2004年度


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