諫早湾干拓地における秋冬ダイコンの収穫期の判定
- [要約]
- 諫早湾中央干拓地における秋冬ダイコンの収穫は、は種後摂氏2度以上の有効積算温度が摂氏950度前後に到達する時期が適当であり、L級比率が高く、一斉収穫が可能となる。
- [キーワード]
- 諫早湾干拓、ダイコン、有効積算温度、L級比率、一斉収穫
- [担当]
- 長崎総農林試・企画経営部・干拓科
[代表連絡先]電話0957-35-1272
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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諫早湾干拓地における営農では、大区画圃場での機械化を前提とした一斉収穫体系が求められる。秋冬ダイコンでは、摂氏2度以上の有効積算温度が収穫期の判定に用いることができると報告されている。そこで、秋冬ダイコン栽培について生育積算温度と収量及び規格割合を把握し、一斉収穫期の判断について検討する。
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[成果の内容・特徴]
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中央干拓地で栽培した秋冬ダイコンは、営農計画の目標収量(6,000kg/10a)以上が確保され、干拓地での栽培適性は高い(表1)。
- 生育積算温度と規格割合との関係から、目標とする出荷規格にあわせた収穫期の判断が可能である。
商品性の高いL級比率は、は種後摂氏2度以上の有効積算温度が摂氏950度前後で高く、一斉収穫が可能である。(図1)
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中央干拓地で、有効積算温度が摂氏950度に到達するのは、9月11日播種で11/5、9/21播種で11/26、10/1播種で12/25である。(図2)。
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[成果の活用面・留意点]
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目標の出荷規格に応じた一斉収穫期を判断し、出荷計画等に反映できる情報として諫早湾干拓営農対策指針策定の基礎資料とする。
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栽培期間中の降雨量(有効積算雨量)が、平均的な年で適用する。
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抽根性の品種で、秋冬期用の品種を適用する。
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経営規模と収穫労力、作業能率を考慮し、収穫期の幅を設定する。
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[具体的データ]
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表1 ダイコンの生育積算温度と根重、収量

図1 生育積算温度と規格別割合

図2 播種期別の生育有効積算温度(中央干拓地2002〜2004年平均)
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[その他]
- 研究課題名:諫早湾干拓営農対策試験(2)営農対策試験
作物適応性試験
- 予算区分 :県単
- 研究期間 :2001〜2003年度
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