粉砕杉皮固形培地はバラの養液栽培培地として利用できる
- [要約]
- 粉砕杉皮を高温、高圧で成型・固化した固形培地は、バラの養液栽培に利用でき、ロックウール栽培と同等の品質、収量が得られる。
- [キーワード]
- バラ、杉皮、樹皮、固形培地
- [担当]
- 大分農林水産研花き・花き担当
[代表連絡先]電話0977-66-4706
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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本県では低コストで環境に優しい有機物素材である粉砕杉皮が大量に生産されており、いちごの高設栽培をはじめとする養液栽培の培地や土壌改良資材として県内外に広く普及している。しかし、粉砕杉皮は不定型な培地素材のため、使用の際には新たな容器が必要となり、既存のロックウール培地を用いたバラの養液栽培システムでは導入しづらい。そこで、専用の容器の購入や、容器に充填する手間を省くため、粉砕杉皮をマット状に成型・固化した粉砕杉皮培地を開発し、その実用性を検討した。
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[成果の内容・特徴]
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粉砕した杉皮を約1MPa、摂氏210度の条件下でマット状に成型し、固形培地としてロックウール培地に準じて使用する(図1)。
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2年間の総切り花本数では、粉砕杉皮固形培地はロックウール慣行区とほぼ同数であり、切り花品質はロックウール慣行区と同等以上である(表1)。
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粉砕杉皮固形培地区は、ロックウール慣行区に比べ70cm以上の上位等級切り花発生率が高い(図2)。
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[成果の活用面・留意点]
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試作段階の粉砕杉皮固形培地は高コストであるが、大量に使用されれば低コスト化し、より実用性が高まると見込まれる。
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[具体的データ]
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表1 採花本数と切花形質

図1 杉皮固形培地と挿し芽用杉皮ブロック

図2 長さ別採花本数
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[その他]
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研究課題名:低コスト・環境負荷軽減のための簡易隔離床栽培のシステムの開発
予算区分 :県単
研究期間 :2003〜2005年度
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