つる性サヤインゲンの仕立て法と摘葉法
- [要約]
- つる性サヤインゲンにおける栽植密度は株間40cm・3粒播き2本仕立てが適し、摘葉は収穫初期は葉齢20日を、収穫後期は葉齢15日を超えた光合成能の低い葉(色差計L値が34以上)を対象に行い、発生葉の3割程度を目安にする。
- [キーワード]
- つる性サヤインゲン、株間、栽植密度、摘葉
- [担当]
- 沖縄県農業試験場・園芸支場・野菜研究室
[代表連絡先]電話098-973-5530
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・参考
-
[背景・ねらい]
-
沖縄県では冬春期サヤインゲンの生産量が大幅に減少してきている。そこで、つる性サヤインゲンの草姿改善による収量増および軽労化、整枝摘葉技術の確立による商品化率向上を図り、安定多収栽培に寄与する。
-
[成果の内容・特徴]
-
-
栽植密度が高いほど増収するが、播種量(株穴×3粒)とマルチ穴開けの手間を考慮すると、株間40cm・3粒播き2本仕立てが適する(表1)。
-
摘葉率は6割摘葉区で43%と予定に満たなかったため4割摘葉と見なすと、収量を反映すると考えられる総節数は、慣行および3割摘葉が無摘葉や4割摘葉より多い傾向にある(表2)。
-
摘葉程度の違いが収量に与える影響は判然としないが、最も高い値を示した3割摘葉と最も低収の4割摘葉との間には有意な商品化収量差があり(図1)、無摘葉は莢色が薄い(データ省略)。
-
単位日射量当たりの乾物生産量は2月時では20日齢の葉で最も高く、1ヶ月を超えると明らかに低くなり、4月時では10日齢葉で高い傾向にある(図2)。
-
葉齢が進むと色差計のL値は高くなり、20日齢葉で約33である(図3)。
-
[成果の活用面・留意点]
-
-
摘葉開始は1番果収穫前で、幅10cm以上の小葉を対象とする。
-
過度の摘葉は減収を招く恐れがある。
-
品種はケンタッキーブルー
-
[具体的データ]
-
表1 等級別収量
表2 摘葉の経過
図1 摘葉程度が収量に与える影響
図2 葉齢別光合成能
図3 1月〜3月における葉齢と葉色(明度:L値)の関係
-
[その他]
-
研究課題名:サヤインゲンの安定多収生産技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2002〜2004年度
目次へ戻る