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ニガウリの養液土耕栽培における土壌・肥培管理技術


[要約]
ニガウリの養分吸収特性を考慮した液肥組成による養液土耕栽培は、クリンカアッシュや草炭を幅0.5m深さ0.2mの土層に容積比1/3混和の局所管理で平畦にすると、慣行栽培以上の収量が得られ、かつ塩類集積の少ない環境保全型栽培法である。

[キーワード]
ニガウリ、養液土耕栽培、局所管理、環境保全型

[担当]
沖縄県農業試験場・園芸支場・野菜研究室

[代表連絡先]電話098-973-5530	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
近年、各地に養液土耕栽培システムが導入されているが、施肥・水分管理技術や培地組成の検討が十分なされておらず、問題が生じている。そこで栽培面積増加の著しいニガウリについて低コスト・省力・環境保全を視野に入れた養液土耕栽培法を開発する。

[成果の内容・特徴]
  1. 生育ステージごとの養分吸収量(表1)と必要かん水量(図1)から、養液土耕栽培における肥培管理法が明らかになる。。

  2. 上記施肥・給水管理を可能にする液肥組成(表2)によるかん水同時施肥体系と、クリンカアッシュや草炭などの土壌物理性改良資材の局所施用(幅0.5m×0.2m深土層に30%)を組み合わせると、慣行の栽培・施肥体系に比して増収する(図2)。

  3. 施設内栽培では、平畦は栽培期間をとおして地温の分布幅が狭く(図3)、高畦栽培との間に収量差は無いが畦間が広く使え、整枝・摘葉等の作業性が改善される。

  4. 局所管理養液土耕栽培は、塩類集積の少ない環境保全型栽培法である(表3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 農家の栽培指導に活用する。

  2. 栽培前に土壌診断を受け、肥沃度の程度に応じて液肥濃度を調整する。

  3. 被覆尿素入り肥料との併用も可能である。その場合は液肥濃度を低くする。

  4. 草炭は酸度矯正済みを使用する。

[具体的データ]

表1 ニガウリ1株1日当たりの養分吸収量


図1 吸水(養液栽培)および給水(養液土耕栽培)曲線


表2 液肥組成


表3 かん水量


図2 畦管理法の違いが収量に及ぼす影響


図3 平畦の地温緩衝能


表4 跡地土壌のEC

[その他]
研究課題名:養液土耕栽培における各方式別施肥管理技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2004年度


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