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「やぶきた」における三番茶後の浅刈り時期


[要約]
「やぶきた」において三番茶後に浅刈りを行う場合、時期が遅れると翌年の生葉収量と荒茶品質が低下する。翌年の収量・品質を低下させない時期の目安は、浅刈りから秋整枝までの摂氏20度を基準とする有効積算温度で400日度程度である。

[キーワード]
チャ、やぶきた、浅刈り、有効積算温度、三番茶摘採

[担当]
鹿児島茶試・栽培研究室

[代表連絡先]電話0993-83-2811	
[区分]九州沖縄農業・茶業	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
近年、樹高や最終摘採時期の調整、炭疽病の発生回避などの目的で三番茶後に浅刈りを実施する場面が多くなってきている。しかし、浅刈りを実施すると、その後の秋芽生育が遅れ、翌年度の収量や品質に影響がでることが推測されるので「やぶきた」における安全な浅刈り時期を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 三番茶後の浅刈り時期が遅れると、翌年の生葉収量は減少する傾向にある(図1)。

  2. 荒茶品質については、三番茶後の浅刈りから秋整枝までの摂氏20度を基準とする有効積算温度が400日度以上で内質が優れる(表1)。

  3. 化学成分含有量は、茶期に関わらず、浅刈りから秋整枝までの有効積算温度が少ないほどタンニンは多い傾向があり、逆にアミノ酸は少ない傾向がある(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 適応地域:浅刈りから秋整枝までの有効積算温度を400日度以上確保できる地域。

  2. 供試茶園の土壌は黒ボク、浅刈りは三番茶摘採位置810mmから-45mm(前年秋整枝位置から1cm程度下げた程度)、秋整枝は浅刈り面から+45mmで行った結果である。

[具体的データ]

図1 三番茶後の浅刈りから秋整枝までの有効積算温度(2003年)と生葉収量(2004年)


表1 浅刈り実施時期が秋整枝量、翌年の荒茶品質に及ぼす影響(2003〜4年)


表2 浅刈り時期による化学成分への影響(2004年)(近赤外分光法による:乾物%)

[その他]
研究課題名:温暖地、温暖時に対応したチャの生産安定技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2002〜2004年度


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