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シルバーリーフコナジラミの高温耐性とハウス密閉処理の防除効果


[要約]
シルバーリーフコナジラミ成虫は、摂氏46度以上の温度に接すると死亡率が高まり、摂氏62度以上でほぼ100%が死亡する。また、摂氏44度を30分間以上維持するとほぼ100%が死亡する。ハウス密閉処理は、6〜7月の晴天日の場合、1日間の処理でコナジラミを死滅できる。

[キーワード]
シルバーリーフコナジラミ、高温耐性、密閉処理

[担当]
熊本農研セ・生環研・病害虫研究室

[代表連絡先]電話096-248-6490	
[区分]九州沖縄農業・病害虫	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
トマト黄化葉巻病の体系防除においては、栽培終了時に病原ウイルスTYLCVを保毒したシルバーリーフコナジラミ成虫をハウス外に出さないことが重要である。しかし、シルバーリーフコナジラミ成虫の高温耐性やハウス密閉処理に必要な期間については不明である。そこで、シルバーリーフコナジラミ成虫の温度に対する耐性を明らかにするとともに、ハウス密閉処理期間と防除効果の関係を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 寄主植物がない条件では、シルバーリーフコナジラミ成虫は、摂氏46度以上の温度に接すると急激に死亡率が高まり、摂氏62度以上でほぼ100%死亡する(図1)。

  2. 寄主植物がない条件では、シルバーリーフコナジラミ成虫は、摂氏44度を30分間以上維持することでもほぼ100%死亡する(図2)。

  3. 6〜7月にハウス密閉処理を行うと、トマト株の枯死にかかわらず晴天日であれば1日間でハウス内のシルバーリーフコナジラミ成虫を死滅させることができる(図3図4)。

[成果の活用面・留意点]
  1. トマト黄化葉巻病の防除においては、保毒虫の死滅とともにTYLCV感染株の枯死が重要である。密閉処理にあたっては、感染株の枯死を早めるために茎を切断後に行う。

[具体的データ]

図1 シルバーリーフコナジラミ成虫の温度別死亡率


図2 温度の持続時間によるシルバーリーフコナジラミ成虫の死亡率の推移


図3 コナジラミ類成虫に対するハウス密閉処理の防除効果(茎切断あり)


図4 コナジラミ類に対するハウス密閉処理の防除効果(茎切断なし)

[その他]
研究課題名:トマト黄化葉巻病対策を機軸としたトマト栽培法の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2004-2006年度


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