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長崎県島原半島における春作バレイショのPotato virus Y(PVY)感染時期


[要約]
長崎県島原半島における春作バレイショのPVY感染は、4月下旬から本格化することが多い。

[キーワード]
バレイショ、PVY、感染時期、アブラムシ

[担当]
長崎県総合農林試験場・愛野馬鈴薯支場・環境科

[代表連絡先]電話0957-36-0043	
[区分]九州沖縄農業・病害虫	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
バレイショ栽培にとって重要な病害であるモザイク病や塊茎えそ病の病原であるPVYの圃場における感染時期ならびに媒介するアブラムシ類の発生消長を調べることは、その防除法を確立する上で重要である。島原半島におけるアブラムシ類の発生消長については井上・坂口(1986)によって調査が行われているが、ウイルスの感染時期についての調査は行われていない。そのため、バレイショ苗のトラップを利用したPVYの感染時期と黄色水盤を用いたアブラムシ類の飛来時期を調査した。

[成果の内容・特徴]
  1. バレイショ苗を用いたトラップを1週間毎に長崎県島原半島の北部(愛野町)、南部(南串山町または加津佐町、データ未掲載)の圃場に設置し、1週間毎のPVY感染の有無をELISA法で調査した。その結果、PVYの感染は4月下旬から本格化することが多い(図1)。

  2. バレイショに寄生する主なアブラムシ類(モモアカアブラムシ、ワタアブラムシ、ジャガイモヒゲナガアブラムシ、チューリップヒゲナガアブラムシ)のうち、圃場内または隣接した場所に設置した黄色水盤に捕殺されるのはワタアブラムシとモモアカアブラムシが多い(表1表2)。この結果は、茎葉の調査においてジャガイモヒゲナガアブラムシとチューリップヒゲナガアブラムシも多く観察された井上・坂口(1986)の結果と異なる。

[成果の活用面・留意点]
  1. PVYの防除法を確立するための基礎資料として利用できる。

[具体的データ]

図1 バレイショ苗トラップの圃場におけるPVY感染株率(島原北部)


表1 PVY感染株率とアブラムシ類の飛来数の関係(島原北部A地点・2003年春)


表2 PVY感染株率とアブラムシ類の飛来数の関係(島原北部A地点・2004年春)

[その他]
研究課題名:耕種的防除技術等を利用した昆虫伝搬性ウイルス制御技術の開発
予算区分 :指定試験
研究期間 :2001〜2005年度


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