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3種アザミウマ類に対するミヤコカブリダニの捕食能力


[要約]
ミヤコカブリダニは、ミカンキイロアザミウマの1齢幼虫のみを捕食し、ミカンキイ ロアザミウマ、ミナミキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマの1齢幼虫を餌としたとき、 24時間あたりの最大捕食量はそれぞれ、7.1頭、6.9頭、3.1頭である。
[キーワード]
ミヤコカブリダニ、ミカンキイロアザミウマ、ミナミキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマ
[担当]
宮崎総農試・生物環境部・害虫科、九州沖縄農研・野菜花き研究部・上席研究官

[代表連絡先]電話0985-73-6448	
[区分]九州沖縄農業・病害虫	
[分類]科学・参考	

[背景・ねらい]
ミヤコカブリダニはハダニ類の天敵として知られているが、すでに現地ではハダニ類の天敵としてチリカブリダニが利用されている。今後、この2種について、それぞれの特性を活かして使い分けていく必要がある。ミヤコカブリダニは、高温への適応性があることや、広食性であることが特徴である。一方、チリカブリダニはハダニ類のスペシャリストで、現在イチゴを中心に体系利用が進んでいるが、その中でアザミウマ類の防除対策が課題となっている。そこで、ミヤコカブリダニが広食性であることに着目し、アザミウマ類に対する効果の可能性を探るため、実験室内で捕食能力を調査する。

[成果の内容・特徴]
  1. ミヤコカブリダニが捕食可能なアザミウマ類の発育齢を明らかにするため、ミカンキイロアザミウマの各発育齢について調査したところ、孵化から24時間以内の1齢幼虫を7.3頭、孵化後24時間から48時間の1齢幼虫を4.1頭を捕食する。2令幼虫、第2蛹、成虫の捕食は認められない(表1)。

  2. 3種アザミウマの1齢幼虫に対するミヤコカブリダニの最大捕食量(24時間あたり)は、餌密度16頭のときに最大となり、その値はミカンキイロアザミウマ7.1頭、ミナミキイロアザミウマ6.9頭、ヒラズハナアザミウマ3.1頭とアザミウマ類の種によって捕食量に違いがみられる。(図1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. ミヤコカブリダニを利用上の基礎的資料として活用できる。

  2. 本試験では実験室内の試験であり、圃場での効果は未確認である。

[具体的データ]

表1 ミカンキイロアザミウマの各発育齢に対するミヤコカブリダニ雌成虫の補食量


図1 3種アザミウマの1齢幼虫に対するミヤコカブリダニ雌成虫の補食量

[その他]
研究課題名:生物資材等を活用した環境に優しい防除技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2003〜2005


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