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未記載種のネグサレセンチュウがキクの生育に及ぼす影響


[要約]
宮崎県北・西諸県郡内のキク栽培ほ場で確認された未記載種のネグサレセンチュウはキクの初期生育に悪影響を及ぼす。

[キーワード]
ネグサレセンチュウ、キク

[担当]
宮崎総農試・生物環境部・害虫科

[代表連絡先]電話0985-73-6448	
[区分]九州沖縄農業・病害虫	
[分類]科学・参考	

[背景・ねらい]
2004年3月、宮崎県北・西諸県郡内の1市3町のキク栽培ほ場から、唇部体環が2で、口針長が14〜15μm、V値が約76%、楕円形の受精嚢をもつなどの特徴を有する未記載種のネグサレセンチュウが確認された(参照:九州沖縄農業研究成果情報第20号)。そこで、本種がキクの生育に及ぼす影響を明らかにし、防除対策に資する。

[成果の内容・特徴]
  1. 本種を接種したキクは30〜61日後に草丈長や葉数、根重に悪影響が現れ始め、90日後には明らかな生育遅延と下葉の黄化・落葉が見られる。(図1

  2. 本種を接種したキクの61、90日後の根重は接種頭数多の区で最も低く、根部からは多数のネグサレセンチュウが確認される。(図1

[成果の活用面・留意点]
  1. 実際のほ場における線虫数と生育被害の関係について調査を進め、防除の参考に資する。

[具体的データ]
調査方法

挿し芽21日後のキク(品種:神馬)を焼土350gが入った直径10.5cmの黒のビニルポットに鉢上げすると同時に、同定後キクで維持・増殖させた本センチュウを根部に接種。接種頭数は1ポット当たり約30頭(以下、接種頭数:少区)、300頭(同:中区)、3,000頭(同:多区)の3段階とし、各区10株ずつで実施。25℃の恒温(自然光)下におき、生育を調査。


図1 線虫摂取量の異なる各区における接種1ケ月後毎の地上部重と根重。

[その他]
研究課題名:花き類の不詳病害及び生理障害の原因解明と防除技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :平成14〜16年度(平成14〜17年度)


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