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ハクサイの硝酸イオン濃度に対する施肥窒素の影響


[要約]
ハクサイの慣行施肥(基肥ー追肥2回)体系において、結球中の硝酸イオン濃度に対して影響が大きいのは追肥であり、特に2回目の追肥の影響が大きい。

[キーワード]
ハクサイ、硝酸イオン、追肥窒素

[担当]
鹿児島農試・土壌肥料部

[代表連絡先]電話099-268-3231	
[区分]九州沖縄農業・生産環境(土壌肥料)	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
硝酸塩の過剰摂取は人体に対して好ましくないとされており、摂取源の8割以上を占める野菜に対して、硝酸イオン濃度の低減栽培技術が要望されている。そこで、ハクサイを対象作物として、収穫時期および施肥窒素等が硝酸イオンの蓄積に及ぼす影響を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 基肥ー追肥1(定植10〜15日後)ー追肥2(結球始め頃)の慣行施肥体系において、基肥窒素は、外葉および結球のいずれの窒素吸収に対しても同程度の効果があるが、追肥1および追肥2の窒素は、外葉に比べて結球に吸収される比率が高い(表1)。

  2. 基肥および追肥1の窒素は、硝酸イオンの蓄積に対して外葉、結球とも同程度の影響を与えるが、追肥2の窒素は、外葉に比べて結球に与える影響が大きい(表1)。

  3. 結球中硝酸イオン濃度は、外葉中硝酸イオン濃度に比べて低く、この比率は収穫時期によって異なる(図1表2)。

  4. 結球中硝酸イオン濃度は、結球初期が最も高く、その後、結球肥大に伴って減少する。このため、収穫が早すぎる場合には、硝酸イオン濃度が高くなる傾向がある(図1表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 本試験に供試したハクサイは「CR黄健65」で、供試土壌は中粗粒灰色台地土である。

  2. ハクサイの硝酸イオン濃度を低減するための栽培技術資料として活用できる。

[具体的データ]

表1 施肥由来窒素の分配および全吸収窒素,硝酸イオンに占める施肥由来窒素の寄与率


図1 外葉および結球部の硝酸イオン濃度の変化


表2 栽培期間中の個体重,全窒素含有率,硝酸態窒素含有率の変化

[その他]
研究課題名:露地野菜の健康・安全・高付加価値生産技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2004〜2005年度


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