Navigation>>九州沖縄農業研究センター >> 研究成果情報 >> 平成18年度目次

硬質小麦品種「ミナミノカオリ」の長崎県における特性


[要約]
硬質小麦品種「ミナミノカオリ」は、「シロガネコムギ」より出穂期は1日遅く、成熟期は同程度もしくは1日遅い。うどんこ病には強いが赤かび病にはやや弱い。収量は低いが、タンパク質含有率が高く素麺用に適するため、長崎県の奨励品種に採用する。

[キーワード]
硬質小麦、ミナミノカオリ、タンパク質含有率、素麺

[担当]
長崎総農林試・作物園芸部・作物科

[代表連絡先]電話0957-26-3330	
[区分]九州沖縄農業・水田作	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
長崎県の小麦は「シロガネコムギ」「チクゴイズミ」が作付けされており、その用途は菓子用である。しかし、島原半島地域で地場産小麦を使用した素麺開発への要望が強く、このニーズに対応するためには、タンパク質含有率の高い品種が必要である。そこで、硬質小麦品種「ミナミノカオリ」の本県での適応性を検討し、特性を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
「ミナミノカオリ」は九州沖縄農業研究センターにおいて「PampaINTA」と「西海167号」との交配から育成された小麦品種である。長崎県では「シロガネコムギ」と比較して以下のような特性を有する。

  1. 出穂期は1〜2日遅く、成熟期は同程度もしくは1日遅い早生種である(表1)。

  2. 稈長は長く、穂長はわずかに短く、穂数は少ない(表1)。

  3. うどんこ病に対する抵抗性はやや強いが、赤かび病に対してはやや弱い(表1)。

  4. 千粒重はやや重く、容積重はやや軽い。収量は低く、検査等級は劣る(表2)。

  5. 原麦の粗蛋白質含有率は高い(表3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 島原地区を中心に県下に普及する。用途は素麺用をはじめとし醤油用、パン用である。

  2. 穂発芽性がやや易であるため適期収穫に努める。

  3. 赤かび病にやや弱いので適期防除を徹底する。

[具体的データ]

表1 生育調査結果


表2 収量、品質調査結果


表3 原粒の粗蛋白質含有率

[その他]
研究課題名:麦類奨励品種決定調査
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2001年度、2004〜2005年度


目次へ戻る