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大豆の汚粒を低減させるコンバイン用受け網


[要約]
軸流コンバインにおいて、脱穀部の受け網を回転軸と平行にパイプを配置したロール式とし、その隙間を適宜選択することで大豆の収穫における脱穀部での茎残留や脱穀部駆動トルクを軽減し青立ち株による汚粒を低減できる。

[キーワード]
大豆、軸流コンバイン、受け網、汚粒、青立ち

[担当]
九州沖縄農研・九州水田輪作研究チーム

[代表連絡先]電話0942-52-3101	
[区分]九州沖縄農業・水田作、共通基盤・作業技術、共通基盤・総合研究	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
軸流コンバインによる大豆収穫作業では、青立ち株や雑草等の混入による汚粒が問題となっており、青立ち株の抜き取りなどが作業者の負担となっている。軸流コンバインでは排塵弁角度を大きくすることによって茎莢の通過性が向上し汚粒は低減するが、脱穀選別損失が増加する等の問題がある。そこで、受け網を改良することにより脱穀部での茎莢の通過性を向上させ、脱穀選別損失を増加させないで汚粒を低減する技術を開発する。

[成果の内容・特徴]
  1. ロール式受け網はφ21mmのパイプ(鉄製)をこぎ胴と平行に配置した形状で、パイプは自由に回転できる構造である(図1)。

  2. 脱穀部での茎残留とくに受け網への引っ掛かりがロール式・18では低減される(図1)。

  3. 青立ち株のある圃場での収穫において、ロール式・18では標準の大豆用受け網に比較し汚れ指数が半分以下に減少する(図2)。

  4. ロール式・18では受け網での子実の漏下性については標準と特段差はなく、脱穀選別損失も1%以下である(表1図3)。

  5. 脱穀部駆動トルクについては標準と比較してロール式・18では軽減する(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 大豆に対応した軸流コンバインに適用でき、実用化する予定である。

  2. 試験はフクユタカを用い摘莢によって作出した青立ち株による汚粒についてのみで、雑草による汚粒への効果は今後試験する必要がある。

[具体的データ]

表1 受け網諸元および試験結果


図1 受け網と残留茎莢


図2 受網による汚れ指数への影響


図3 子実漏下量分布

[その他]
研究課題名:地域条件を活かした高生産性水田・畑輪作のキーテクノロジーの開発と現地実証に基づく輪作体系の確立
課題ID:211-k
予算区分 :交付金、委託プロ(ブラニチ)、基盤
研究期間 :2003〜2006年度


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