硬質小麦「ミナミノカオリ」の刈取時期と製パン適性
- [要約]
- 硬質小麦「ミナミノカオリ」において、刈取時期を成熟期後3〜5日にすることにより、容積重が重く、生地物性、製パン適性が優れる。
- [キーワード]
- ミナミノカオリ、刈取時期、生地物性、製パン適性
- [担当]
- 福岡農総試・豊前分場野菜水田作チーム
[代表連絡先]電話0930-23-0163
[区分]九州沖縄農業・水田作
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
- 硬質小麦「ミナミノカオリ」は西南暖地で栽培できるパン用小麦品種として、福岡県で準奨励品種として採用され、普及拡大が期待されている。しかし、刈取時期と品質や製パン適性の関係は明らかではない。そこで、「ミナミノカオリ」の刈取時期と容積重、フォーリングナンバー、グルテンの質や量、生地物性および製パン適性との関係を検討し、品質や製パン適性が優れる最適刈取時期を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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容積重は早刈(成熟期前2日)や遅刈(成熟期後8〜10日)で小さく、標準刈(成熟期後3〜5日)で優れる。フォーリングナンバー値は早刈で劣る(表1、表3)。
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標準刈と比較して、早刈ではグルテンインデックス、バロリメーターバリューが小さく、グルテンの質や生地物性は劣り、パン総点は小さくなる傾向がみられるが、遅刈りではグルテンの質や生地の物性は差がみられない(表2、表3)。
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[成果の活用面・留意点]
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実肥を施用した場合、茎葉の黄化が遅れる傾向がみられるので、遅刈とならないように、刈取りは成熟期後日数や子実水分から判断して行う。
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[具体的データ]
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表1 ミナミノカオリの刈取時期と品質(2004〜2005年平均)

表2 ミナミノカオリの刈取時期とグルテンの質量、生地の物性、製パン適性(2005年)

表3 ミナミノカオリの刈取時期と品質、グルテンの質量、生地の物性(2002年)
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[その他]
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研究課題名:九州における早播適応性小麦の早熟化栽培技術等の確立
予算区分 :国庫受託(ブラニチ1系)
研究期間 :2002〜2005年度
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