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水稲品種「にこまる」の高温登熟条件下における玄米品質


[要約]
「にこまる」は高温登熟条件下においても白未熟粒の発生が少なく「ヒノヒカリ」に比べ品質が優れる。背白粒の発生は出穂後20日間の平均気温が27を超えると増加するが、「にこまる」の発生程度は「ヒノヒカリ」に比べ小さい。

[キーワード]
イネ、にこまる、高温、品質、背白粒

[担当]
長崎総農林試・作物園芸部・作物科

[代表連絡先]電話0957-26-3330	
[区分]九州沖縄農業・水田作、九州沖縄農業・生産環境	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
近年、気候温暖化にともない水稲の登熟期の高温による玄米品質の低下が問題になっている。そこで水稲品種「にこまる」について登熟期間の気温と玄米品質との関係を明らかにし、高温条件下での高品質米生産技術の開発に資する。

[成果の内容・特徴]
  1. 登熟期間が高温であった気象条件下でも、「にこまる」は「ヒノヒカリ」に比べ同じ移植時期、同じ出穂期で白未熟粒の発生が少なく、品質は「ヒノヒカリ」より優れる。(図1)。

  2. 「にこまる」は「ヒノヒカリ」に比べ背白粒の発生が少ない。「ヒノヒカリ」は出穂後20日間の平均気温が26.5を超えると背白粒が発生しやすくなる。「にこまる」は、平均気温が27.0までは背白粒の発生は少なく、平均気温が27.0を超えると背白粒の発生は増加するがその程度は「ヒノヒカリ」に比べ小さい。(図2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 移植時期の適期を判断する基礎資料として活用する。

  2. 2005年の8月から9月の平均気温は平年差+1.3である。

[具体的データ]

図1 移植時期と白未熟粒(背白・基白・乳白・心白)の関係(2005年)


図2 出穂後20日間の平均気温と背白粒発生率との関係

[その他]
研究課題名:水稲新奨励品種「にこまる(西海250号)」の栽培技術確立
予算区分 :県単
研究期間 :2002〜2006年度


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