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「あきまさり」の安定栽培のための施肥法と刈り取り時期


[要約]
「あきまさり」の収量面からみた施肥体系は窒素成分でa当たり基肥0.5kg、出穂20日前に0.3kg、出穂10日前に0.2kgが適当である。また、品質面からみた適期刈り取りの積算気温は1000〜1100で、その場合の一穂内の籾黄化率は80〜85%である。

[キーワード]
イネ、あきまさり、施肥法、刈り取り時期

[担当]
熊本農研セ・農産園芸研・作物研究室

[代表連絡先]電話096-248-6444	
[区分]九州沖縄農業・水田作	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
熊本県では「ユメヒカリ」に替わる晩生良食味品種として、「あきまさり」を平成16年度に奨励品種に採用し、普及を図っている。「あきまさり」は倒伏に強く多収であるが、一穂籾数が多いため登熟ムラが出やすく、適期刈り取りを逸することによる収量・品質への影響が懸念される。そこで、「あきまさり」の収量・品質の安定向上を図るため、施肥法および刈り取り適期を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 「あきまさり」は「ユメヒカリ」より明らかに一穂籾数が多い。一次、二次枝梗着生率はほぼ同等であるが、二次枝梗着生籾の登熟が「ユメヒカリ」より劣る(表1)。

  2. 収量面からみた施肥体系は、窒素成分でa当たり基肥0.5kg、穂肥として出穂20日前に0.3kg、晩期穂肥として出穂10日前に0.2kgが適当である(表2)。

  3. 出穂後積算気温で約950までは青未熟粒が多く、約1100を超えると茶米の発生率が高くなる。また、検査等級は1100度を超えると低下する傾向にあり、適期刈り取りの積算気温は1000〜1100である。その場合、一穂内の籾黄化率は80〜85%である(図1図2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 「あきまさり」の安定生産のための栽培指導資料とする。

  2. 本試験は黒ボク土壌における普通期移植栽培での結果である。

  3. 一穂籾黄化率は株内の長稈3穂を調査する。

[具体的データ]

表1 穂相調査


表2 施肥法の違いが収量・品質に及ぼす影響(2005、2006)


図1 刈取り時期(積算気温)と品質の推移


図2 刈り取り時期(積算気温)と検査等級

[その他]
研究課題名:水稲の品種特性に応じた栽培技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2004〜2006年度


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