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春キャベツ後作における水稲中生品種「秋音色」の早植栽培技術


[要約]
「秋音色」を早植栽培(5月中旬移植)すると、春キャベツとの栽培体系が可能である。その場合、疎植栽培が有効であり、施肥は残さ物の窒素発現を考慮し、基肥及び晩期穂肥を省略しても慣行栽培並みの収量が確保出来る。

[キーワード]
イネ、秋音色、春キャベツ後作、疎植栽培、施肥法
[担当]
熊本県農研セ・農産園芸研究所・作物研究室

[代表連絡先]電話096-248-6444	
[区分]九州沖縄農業・水田作	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
熊本県育成水稲品種「秋音色」は半糯で、多肥栽培でも品質への影響が少ないことから、平坦肥沃地やいぐさ・たばこ後作の晩期栽培が行われているが、その作付面積は約140haに留まっている。そこで、新たな作付けによる普及拡大を図るため、平坦地の春キャベツ後作栽培を想定した早植栽培(5月中旬移植)の適合性を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 「秋音色」を早植栽培(5月中旬移植)すると、成熟期は9月中旬となり春キャベツとの栽培体系が可能である(図1)。

  2. その場合、疎植条件(13.3株/m2)においても収量は、標準栽植密度(18.5株/m2)とほぼ同等である(図2)。

  3. キャベツ後作おける施肥法では、残存窒素の影響は少ないが、キャベツ残さ物の窒素発現により生育中期から葉色が濃く推移し、籾数の確保と十分な登熟が図られ、基肥及び晩期穂肥を省略しても標準施肥とほぼ同等な収量が得られる(表1図3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 本試験は灰色低地土壌において中苗移植栽培で行った結果である。

  2. 生育後期に窒素発現が盛んになるので、中干しの実施や間断灌水による水管理で生育制御を行う必要がある。

[具体的データ]

図1 春キャベツー「秋音色」栽培体系


図2 栽植密度の違いによる収量


表1 土壌無機態窒素及び施肥法の違いが生育・収量に及ぼす影響


図3 葉色(SPAD値)の推移

[その他]
研究課題名:水稲の品種特性に応じた栽培技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2004〜2006年度


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