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小麦の早播栽培における外観品質、無機成分、製粉特性


[要約]
小麦を11月上旬に早播した場合、適期播に比べて収量や検査等級に明らかな差はみられない。早播は、原麦灰分は高く、粉の色相は劣り、K、Ca、Mgの無機成分含有量は高まる。

[キーワード]
小麦、早播栽培、播種時期、穂発芽率、原麦灰分、粉の色相、無機成分

[担当]
福岡農総試・農産部・栽培品質チーム

[代表連絡先]電話092-924-2937	
[区分]九州沖縄農業・水田作	
[分類]研究・参考	

[背景・ねらい]
九州北部では、小麦の収穫期が梅雨期に入ることがあり、降雨による収量、品質の低下が大きな問題となっていることから、収穫時期を早めるための早播栽培の確立が重要である。そこで、主力品種、有望系統を供試して、小麦の早播栽培における生育、収量および外観品質、子実成分との関係を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 早播の11月4日播きは、適期播きの11月25日播と比べて出穂期は10〜12日早まり、成熟期は5〜6日早まる(表1)。

  2. 11月4日播きは、11月11日播きや25日播きと比べて収量や検査等級に明らかな差は認められない。11月4日、11日播きはm2当たり粒数がやや少なく、容積重は重い傾向にある(表1)。

  3. 人工的処理による穂発芽率は早播の場合に有意に高まる。フォーリングナンバー値やタンパク質含有率は品種による差が大きく、播種時期による差は認められない(表2)。

  4. 原麦灰分は播種時期による差が大きく、早播で有意に高まる。粉の色相は品種による差が大きいが、早播した場合は劣る。無機成分は播種時期によって変動し、早播ではK、Ca、Mg含有量が高まる(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 早播栽培における品種選定や収量、品質向上のための知見として活用できる。

[具体的データ]

表1 品種、播種期別の小麦の生育、収量(2002〜2005年播平均値)


表2 品種、播種期別の各種障害、無機成分、製粉特性(2002〜2005年播平均値)

[その他]
研究課題名:九州における早播適応性小麦の早熟化栽培技術等の確立
予算区分 :国庫受託(ブラニチ1系)
研究期間 :2005年度(2002〜2005年)


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