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産卵後期の採卵鶏における粒度の大きなカルシウム源の夕方給与による破卵発生の低減化技術


[要約]
産卵後期(60週齢以降)では鶏の銘柄、カルシウム源の違いを問わず夕方に大粒(4ミリ程度)のカキ殻や卵殻粉を重量比で1.5%添加給与すれば、破卵率の低減や産卵率、産卵日量の向上が期待できる。

[キーワード]
採卵鶏、破卵対策、カルシウム源、大粒、夕方給与

[担当]
佐賀畜試・中小家畜部・養鶏研究担当

[代表連絡先]電話0954-45-2030	
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(豚・鶏)	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
採卵鶏経営では鶏卵生産の際、発生する破卵はそのまま経営体の損失になっている。破卵発生の要因としては、ケージや集卵装置による物理的な破損、鶏の銘柄、産卵時期、環境、栄養等の影響が考えられるが、破卵の発生を低減させることができれば、鶏卵の商品化率、ひいては、採卵鶏の生産性向上が期待できる。そこで、採卵鶏の低破卵系統と高破卵系統を用いて、飼料に添加給与するカルシウム源の種類、粒度および給与時刻を組み合わせて、特に破卵発生が問題となる産卵後期に調査し、破卵発生の低減技術について検討を行った。

[成果の内容・特徴]
  1. 産卵後期(420日齢〜560日齢)では鶏の銘柄、カルシウム源の違いを問わず、夕方に大粒のカキ殻や卵殻粉を給与すれば破卵率の低減や産卵率、産卵日量の向上が期待できる。(表1表2図1

  2. 経済性においても産卵後期では鶏の銘柄、カルシウム源の違いを問わず、夕方に大粒のカキ殻や卵殻粉を給与すれば、収支差で有利である。(表3

[成果の活用面・留意点]
  1. 普及に当たって、自動給餌機で夕方に大粒(4mm程度:これより大きくなると自動給餌機に詰まって支障がある。)のカルシウム源を添加給与する際、ミキシング等、新たな設備投資(500千円程度)が必要。

  2. 新たな設備投資も概ね半年で回収できる。

    15千羽/戸×120日/年×0.575円/羽・日=1,035千円/戸・年
    (試算前提)

    • 一戸当たり成鶏飼養規模15千羽
    • 年間産卵後期該当日数120日・・・成鶏産卵期間420日間÷3期=140日
      年間140日/420日×365日≒120日、
    • 収支差での無添加と朝無添加・夕方大粒添加の差の平均値0.575円/羽・日

[具体的データ]

表1 カキ殻添加による産卵成績


表2 卵殻粉添加による産卵成績


図1 破卵率低減効果


表3 経済性(円/羽・日・税込み)

[その他]
研究課題名:採卵鶏における生産性向上に関する試験
予算区分 :県単
研究期間 :2004〜2005年度


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