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生後7ヶ月齢から肥育を行う黒毛和種去勢牛の早期肥育技術


[要約]
増体能力に優れた黒毛和種種雄牛産子去勢牛を用いると、生後7ヶ月齢から肥育を行い(生後24ヶ月齢出荷)、肥育前期にDG1.0kgに必要なTDN要求量の60%を濃厚飼料から摂取するように制限給与し、良質な粗飼料を不断給餌すると、試験終了時体重730kg、枝肉重量446.8kg、枝肉等級4等級以上80%の良好な枝肉生産が可能である。

[キーワード]
早期肥育、黒毛和種、粗飼料多給、濃厚飼料

[担当]
長崎畜試・大家畜科

[代表連絡先]電話0957-68-1135	
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(大家畜)	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
黒毛和種肥育農家の平均出荷月齢は30ヶ月齢前後であるが、肥育期間の長期化による飼料費等の増加および出荷の回転率の低下が農家経営を圧迫している。一方で、肉質肉量兼備の優秀な種雄牛が造成されており、肉質および枝肉重量を落とさずに、肥育期間を短縮し出荷回転率の向上をはかる早期肥育技術を確立する必要がある。そこで、生後7ヶ月齢から生後24ヶ月齢までの黒毛和種早期肥育技術および早期肥育における肥育前期の濃厚飼料給与量の検討を行う。

[成果の内容・特徴]
  1. 前期濃厚飼料少給区が前期濃厚飼料多給区に比べ、粗飼料の摂取量は肥育開始から生後15ヶ月齢頃まで多い傾向にある(図1)。

  2. 生後7ヶ月齢(肥育開始体重233kg)から24ヶ月齢まで肥育を行うと、1日当たりの増体量は0.9kg以上、試験終了時体重700kg以上が可能である。(表2

  3. 生後7ヶ月齢から24ヶ月齢まで肥育を行い、肥育前期にDG1.0kgに必要なTDN要求量の60%を濃厚飼料から摂取するように制限給与すると、枝肉等級4等級以上が80%の良好な枝肉成績である(表3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 黒毛和種早期肥育における飼養管理体系に活用できる。

  2. 増体能力に優れた種雄牛の産子を用いる。

  3. 肥育前期は良質な粗飼料を不断給餌する必要がある。

[具体的データ]

表1 飼料給与方法


図1 濃厚飼料および粗飼料DM摂取量、血中ビタミンA濃度


表2 体重推移


表3 枝肉成績

[その他]
研究課題名:肉用牛における早期肥育技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2004〜2007年度	


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