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褐毛和種去勢牛における乾燥豆乳粕及び飼料イネホールクロップサイレージを用いた高品質牛肉生産


[要約]
褐毛和種去勢牛において、粗飼料として肥育前期および肥育後期に飼料イネホールクロップサイレージを給与した場合、順調に肥育でき、さらに配合飼料に製造副産物の乾燥豆乳粕を混合した濃厚飼料を肥育全期間に給与して肥育を行うと発育良好で、枝肉格付はA3以上が75%と良好である。

[キーワード]
飼料イネ、乾燥豆乳粕、褐毛和種、肥育牛

[担当]
熊本県農業研究センター・畜産研究所・大家畜部

[代表連絡先]電話096-248-6433	
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(大家畜)	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
食料自給率の向上には畜産分野における飼料自給率の向上が不可欠であり、転作水田や遊休農地を活かした飼料生産・利用の拡大が重要課題となっている。また、資源循環型農業の構築に向け、製造副産物の処理利用の推進が図られ、飼料化に向けた試験が数多く行われている。そこで、飼料イネWCSおよび製造副産物の乾燥豆乳粕(以下豆乳粕)が褐毛和種去勢牛の肥育成績に与える影響を明らかにし、同飼料を活用した肥育飼養技術を開発する。

[成果の内容・特徴]
  1. 肥育前期に粗飼料として飼料イネWCSを多給し、市販配合飼料、豆乳粕およびふすまを混合した濃厚飼料(豆乳粕混合A)を、肥育中期には市販配合飼料と豆乳粕を混合した濃厚飼料(豆乳粕混合B)と稲ワラを、肥育後期には豆乳粕混合Bと飼料イネWCSを給与すると1日当たり増体量(DG)は前期1.4kg程度、中期と後期で0.9kg程度となり、24ヵ月齢で体重790kgとなる(表1表2図1)。

  2. 1日1頭当たりで乾物として、肥育前期において豆乳粕混合Aを7.1kg、飼料イネWCSを2.9kg、肥育中期において豆乳粕混合Bを8.4kg、稲ワラ1.1kg、肥育後期において豆乳粕混合Bを9.1kg、飼料イネWCS1.1kgを摂取する(図2)。

  3. 豆乳粕を混合した飼料を用いる場合は肥育全期間を通じて給与すると順調に発育する(図1図2

  4. 枝肉成績は、枝肉重量490kg、ロース芯面積54cm2、バラ厚7cm、BMSNo.3程度で、脂肪の色も黄色傾向はなく、枝肉格付A3程度となる(表3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 飼料イネWCSが入手できる肥育農家で活用できる。

  2. 豆乳粕は必ずしも嗜好性がよくないので、食欲旺盛な肥育前期からの給与が望ましく、肥育後期からの給与は避けた方がよい。

[具体的データ]

表1 試験区分の概要


表2 給与飼料の概要(原物)


図1 体重の推移とDG


図2 1日1頭あたりの乾物摂取量


表3 枝肉成績

[その他]
研究課題名:飼料イネ等国産飼料や未利用資源の利用による高付加価値牛肉生産技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2002〜2005年度


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