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中晩生カンキツ「せとか」および「麗紅」の袋かけによる果面傷害の軽減


[要約]
果面障害が発生しやすい「せとか」、「麗紅」では、8月下旬以降にテトロン製の果実袋をかけると糖度を低下させることなく果面の傷や退色の発生を軽減でき、青果率の高い果実が生産できる。特に傷や退色の発生が著しい樹冠中部および上部ではその効果は大きい。

[キーワード]
カンキツ、せとか、麗紅、果面傷害、果実袋

[担当]
長崎果樹試・生産技術科

[代表連絡先]電話0957-55-8740	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
中晩生カンキツ「せとか」および「麗紅」は糖度が高く品質が優れている品種であるが、果面が滑らかで、トゲの発生が多いため、果面に傷が発生しやすい。また、果皮の赤味は強いが成熟期前に退色しやすい。そこで、これらの傷害を軽減するための対策として果実の袋かけを検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 無袋で栽培すると傷および退色の発生が著しく、特に樹冠の中部および上部で顕著である。

  2. 袋かけにより傷の発生が1/2から1/3程度に軽減される。また、果皮の赤味が強く、退色が軽減されるとともに着色ムラが少なくなる(表1)。

  3. 袋かけの時期による大きな差は認められないが、早期に袋かけした方が傷の発生は軽減される。退色の発生は10月下旬の被袋で少ない傾向にある(表2)。

  4. 袋かけによる果実品質への影響はない。

[成果の活用面・留意点]
  1. 傷や退色の発生が多い樹冠上部や外周部を中心に袋かけする。

  2. 伸縮性のある素材であり、ある程度の果実の大きさには対応できるが、小果では台風等により脱落する恐れがあるので、摘果を早めに行ってできるだけ商品性の高い大果に袋かけすることが望ましい。

  3. 傷の発生源となる果実周辺のトゲはできるだけせん除する。

[具体的データ]

表1 着果位置、袋かけの有無と果面の傷および退色の発生


表2 袋かけの時期と果面傷害、果皮色および果実品質

[その他]
研究課題名:機能性に富む中晩生カンキツの高品質果安定生産技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2004〜2008年度


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