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施設栽培キンカンのエチクロゼート散布による摘果の省力化


[要約]
施設栽培キンカンでは3番花または4番花の満開1週間後に、エチクロゼート100ppmを散布すると、着果量が減少し、摘果作業が軽減できる。

[キーワード]
施設栽培キンカン、エチクロゼート、着果率、摘果、労力軽減

[担当]
鹿児島農総セ果樹・栽培研究室

[代表連絡先]電話0994-32-0179	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
キンカンは果実が小さいうえ四季咲き性でしかも、3〜4番果の着花、着果が多いためその摘果作業に多大な労力を要する。そこで、摘果作業を軽減するため、ウンシュウミカンの摘果剤として効果のあるエチクロゼートのキンカンに対する摘果効果を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. キンカンの3番花または4番花の満開1週間後に、エチクロゼート100ppmを散布することで着果率が低くなる(表1表2)。

  2. 3〜4番花の開花1週間後のエチクロゼート散布では、1番果および2番果は落果しない(表3)。

  3. エチクロゼートの散布で摘果回数、摘果時間共に少なくなり、摘果作業が軽減する(表4)。

  4. 収穫果実の品質に対するエチクロゼート散布の影響はない(表5)。

  5. エチクロゼート散布後、著しい落葉や葉の黄化等樹体への影響はほとんどない。

[成果の活用面・留意点]
  1. 散布する際は、エチクロゼートの適用と使用法を遵守する。

  2. 1番果、2番果の着果状況に応じて、3番花または4番花を対象として使用する。

  3. 適用地域は施設栽培キンカンの栽培地域である。

[具体的データ]

表1 エチクロゼートの散布が3番花の着果に及ぼす影響(2005年)


表2 エチクロゼートの散布が4番花の着果に及ぼす影響(2004年)


表3 エチクロゼートの散布が1番果および2番果の落果に及ぼす影響(2005年)


表4 エチクロゼートの3番果への散布が摘果回数および摘果時間に及ぼす影響(2005年)


表5 エチクロゼートの散布が果実品質に及ぼす影響(2005年)

[その他]
研究課題名:本県特産カンキツの新商材および省力栽培技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2005〜2006年度


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