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マンゴー品種「アーウィン」の満開約30日後の1回摘果による高品質化と増収効果


[要約]
マンゴー品種「アーウィン」は、満開約30日後に1回で摘果することによりL玉以上の果実割合が高まり、収量が増加する。さらに着色が向上し、やに果の発生も少なくなる。

[キーワード]
マンゴー、摘果、着色、収量、やに果

[担当]
鹿児島農総セ果樹・栽培研

[代表連絡先]電話0994-32-0179	
[区分]九州沖縄農業・果樹	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
マンゴー品種「アーウィン」は外観、食味ともに優れ、消費者の人気が高まっている。栽培面積、生産量は年々増加しており、今後は価格の伸び悩みも懸念されることから、いかに秀品果率を向上させ収益を増やすかが課題となっている。現在までのところマンゴーの摘果は、満開30〜60日後に2、3回に分けて行っているが、3個入りの化粧箱に入れるL玉(310〜349g)以上の果実重に達しない規格外の果実が多い園もある。そこで、L玉以上の果実を生産するとともに、摘果回数を減らし省力化するため、最適な摘果回数と摘果時期を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 満開約30日後の早期に1回で摘果することにより、2回、3回と分けて摘果するよりもL玉以上の割合が高くなる(図1)。

  2. 摘果回数、摘果時期による果実の糖度およびクエン酸含量に大きな差はないが、早期1回摘果で果実肥大が促進され、玉つり作業を早く行えるため、果頂部の着色が優れる(表1表2)。

  3. 満開約30日後の早期1回摘果で果実は大きく、収量は多くなり、やに果の発生も少なくなる(図1表1表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. マンゴー「アーウイン」の栽培地域で活用する。

  2. 満開約30日後の果実の縦径は2.5〜3cmなので、この大きさの時期を目安に摘果する。

  3. 有胚果、無胚果を判断し、有胚果を残す。

  4. 障害果の発生が多い園では、最終着果数より20〜30%多めに残し、満開約40日後(縦径が4〜5cm)に仕上げ摘果を行う。

[具体的データ]

図1 摘果回数が果実重に及ぼす影響(2004年)


表1 摘果回数が収量および果実品質に及ぼす影響(2004年)


表2 摘果時期が収量および果実品質に及ぼす影響(2005年)

[その他]
研究課題名:消費者に喜ばれる個性的果樹の高収益栽培体系の開発
予算区分 :県単
研究期間 :2004〜2005年度


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