赤色LED電照によるパッションフルーツ春実の生産技術
- [要約]
- LEDによる電照を12月中旬に開始し、100日程度継続すると、2月上旬〜3月下旬に開花し、4〜6月に収穫が可能となる。収量は10a当たり換算で2.5t程度となる。
- [キーワード]
- LED、電照、パッションフルーツ、春実
- [担当]
- 鹿児島農総セ果樹・栽培研
[代表連絡先]電話0994-32-0179
[区分]九州沖縄農業・果樹
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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パッションフルーツの果実を春季に収穫するためには、電照栽培により冬季に開花させる必要があり、これまで、白熱電球による電照栽培が行われてきた。近年開発された高輝度発光ダイオード(以下LED)は電球の寿命が半永久的で、電気消費量が極めて少ない。これまでに、パッションフルーツに対して赤色LEDの花芽分化促進効果を明らかにしており、今回ほ場規模での実用化技術を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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LEDによる電照を12月中旬に開始すると開花は、電照開始後50日頃から始まる(表1)。
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電照は開花がおおむね終了する時期まで、100日間程度継続する(表1)。
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LED光源は樹冠の真上に1mおきに設置するか、上部斜め60度の位置に2mおきのちどりで設置する(図1)。
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LED電照による春実の収量は10当たり換算で2.4〜2.8tであり、白熱電球の約2.5tと同等である(表2)。
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収穫時の果実品質には差がなく、糖度は16〜17度、クエン酸は約3%となる(表3)。
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[成果の活用面・留意点]
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パッショフルーツの栽培地域で活用できる。
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養液土耕栽培において樹形をT字型整枝、植栽間隔は株間6m、畝間1.5m、10a当たり植栽本数を111本とした場合の結果であるが、土耕栽培でも活用できる。
- 10月下旬〜11月上旬に加温を開始し、温度管理は夜温15
、昼温30
とする。
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[具体的データ]
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表1 栽培経過

図1 各処理区の光照射状況

表2 光源の種類、設置方法が収量に及ぼす影響

表3 光源の種類、設置方法が果実品質に及ぼす影響
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[その他]
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研究課題名:養液・電照栽培によるパッションフルーツの省力・周年・多収技術
予算区分 :助成
研究期間 :2003〜2005年度
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