畦立てマルチとマルチ内チューブ敷設の同時作業を可能にする、全面マルチャー用アタッチメント
- [要約]
- 畦立てマルチとマルチ内チューブ敷設の同時作業を可能にするために、二畦同時成形型全面マルチャーにチューブロールを固定する装置を製作した。それによりチューブ敷設時間が大幅に短縮され、軽労・省力化が図れる。
- [キーワード]
- 全面マルチャー、点滴/かん水チューブ敷設、畦立てマルチ
- [担当]
- 沖縄農研・野菜花き班、九州沖縄農研・南西諸島農業研究チーム
[代表連絡先]電話098-840-8506
[区分]九州沖縄農業・野菜花き(野菜)
[分類]技術・普及
-
[背景・ねらい]
-
沖縄県におけるレタス栽培は雑草防除、水分保持、土跳ね防止等の点から全面マルチ栽培が前提となっている。そのためかん水法は株上かん水が一般的であるが、水分むらにより生育が不揃いとなりかん水効率が劣るなどの問題点があった。その対策として、マルチ内点滴かん水に替えることによるA品・大玉率向上技術を開発したが(平成17年度成果情報)、マルチ内への点滴チューブ敷設という難作業が加わるため、技術導入に難色を示している農家が多い。そこで全面マルチャーで畦立てマルチ作業を行う際に点滴チューブを同時に敷設する方法を検討し、軽労・省力化を図る。
-
[成果の内容・特徴]
-
-
二畦同時成形型全面マルチャーへチューブロールを固定する装置の設計を図1に、装着状況を写真1に示す。
-
スポンジの弾力を利用してチューブロールに抵抗をかけることで、チューブの曲がりや捻れが防げる(図1、写真2)。
-
畦立てマルチ開始時に、マルチ資材とチューブの端を同時に畦の起点に固定するだけでよく(写真3)、従来のマルチャー使用時と同人数で対応でき、畦立てマルチそのものの作業性・能率に影響はない。
-
10アールのマルチ内チューブ敷設作業に、アタッチメントが無い場合は18時間を要するが、本装置を用いると12分に短縮され、軽労・省力化が図れる(表1)。
-
[成果の活用面・留意点]
-
-
後作業(穴開けや収穫等)に支障を来さないよう、畦の肩口にチューブが収まる様に固定位置を調整する。
-
マルチ長とチューブ長が同一のものを使えば、取り替え作業も同時にでき効率的である。
-
対応機種・資材は、全面マルチャー型式ZF-200P、チューブロール径370mm以下を対象とする。
-
他作目に関しても、畦幅60cm(全面マルチャーの最大形畦幅)までは適用可。
-
[具体的データ]
-

図1 装置の模式図とセンター用チューブロール支持部の設計

写真1 敷設装置を装着した全面マルチャー

写真2 捻れることなく敷設されるチューブ

写真3 マルチ資材とチューブの固定

表1 マルチ内チューブ敷設作業に要する時間
-
[その他]
-
研究課題名:レタスの大玉生産のための生育診断マニュアルの作成
予算区分 :受託(沖縄広域連携)
研究期間 :2003〜2005年度
目次へ戻る