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トマトの雨よけ栽培におけるセル成型苗による隔離床かん水同時施肥栽培


[要約]
トマトの雨よけ栽培における隔離床で、かん水同時施肥栽培を行うと、セル成型苗を直接定植しても、慣行の土耕栽培に比べ生育制御が容易になり、収量、品質が向上する。

[キーワード]
トマト、雨よけ栽培、かん水同時施肥、隔離床、セル成型苗

[担当]
大分県農林水産研野茶・久住試験地

[代表連絡先]電話0974-76-0033	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
トマトの雨よけ栽培で、セル成型苗の直接定植など若苗定植が普及しつつあるが、土耕栽培では初期生育が旺盛になり収量、品質が低下しやすい。そこで隔離床とかん水同時施肥を組み合わせた栽培技術を開発する。

[成果の内容・特徴]
  1. U字型隔離床を用いたかん水同時施肥栽培では、夏秋トマトのセル成型苗を直接定植しても初期生育を押さえ、その後の草勢も調節できる。また、遮根透水シートを用いた簡易隔離床栽培でも同様に草勢を調節できる(表1)。

  2. U字型隔離床栽培及び簡易隔離床栽培では、生育中の葉柄中の硝酸イオン濃度が変動しやすい(表2)。

  3. U字型隔離床栽培及び簡易隔離床栽培のかん水点pFは1.7〜1.9で順調に生育するが、かん水量は土耕栽培に較べ2割以上増加する(表3)。

  4. U字型隔離床を用いたかん水同時施肥栽培は、土耕栽培に比べ収量が向上し、形状不良果、空洞果が減少し秀品率が向上する。また、簡易隔離床栽培においても収量、秀品率が向上する。(表4

[成果の活用面・留意点]
  1. 植物体中のリアルタイム栄養診断等により早めに施肥量の調節を行う。

  2. U字型隔離床栽培及び簡易隔離床栽培は、土耕栽培と比べ生育や天候に応じたかん水管理が必要となるため、pF制御を組合わせることが望ましい。

  3. 隔離床栽培により土壌病害虫の発生圃場でも土壌消毒を行いやすく、連作が可能となる。

[具体的データ]

表1 収穫終了時の生育


表2 葉柄中硝酸イオン濃度


表3 月別かん水量


表4 栽培方法別収量、品質

[その他]
研究課題名:夏秋トマト栽培における昇温抑制や肥効調節等による生育制御技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2005〜2006年度


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