カラーピーマンの雨よけ栽培における障害果の発生条件
- [要約]
- 中果系カラーピーマンの果実こうあ部の「ひび果」および「尻腐れ果」は、高気温で草勢が良く、果実の肥大が良好な場合に多発し、果実側面の「ひび果」、「変形果」および「小果」は高気温又は低気温、或いは草勢が劣る場合に多発する。
- [キーワード]
- カラーピーマン、雨よけ栽培、品質、障害果
- [担当]
- 大分農林水産研野茶・野菜担当
[代表連絡先]電話0974-22-0671
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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カラーピーマンの雨よけ栽培では、「ひび果」、「尻腐れ果」及び「変形果」等の障害果が発生しやすく、品質を低下させている。そこで、栽培期間中の環境条件と栽培法の違いが障害果の発生消長に及ぼす影響を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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「ひび果」は、夏季と栽培後期に多く見られ、A品果実に比べ着色が遅く、開花後60日を過ぎた果実で発生が多い(図1)。夏季の「ひび果」は、細長い果実のこうあ部に同心円状に発生することから、果実縦方向の伸長が著しい場合に発生し、栽培後期の「ひび果」は果実側面に縦方向に発生することから、果実横方向の肥大が著しい場合に発生する。
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「尻腐れ果」は、6月末と8月中旬〜9月上旬に多く見られる(図1)。6月末の「尻腐れ果」は着果数や気温等複数の要因により発生し、8月中旬以降は、果実の肥大が旺盛な開花後10日〜20日頃に、最高気温摂氏30度以上の日が連続すると、発生しやすい(図2、図3)。
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「変形果」は、夏季と栽培後期に多く見られる(図1)。
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栽培管理上、草勢が強い場合(V字仕立て、垂直誘引、側枝葉数多、側枝着果無し)には「ひび果」および「尻腐れ果」が多く、草勢が弱い場合(U字仕立て、斜め誘引、側枝葉数少、側枝着果多)には「変形果」および「小果」が多くなる(図4)。
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[成果の活用面・留意点]
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障害果の発生しやすい時期のハウス内の温度管理や草勢の管理に留意する。
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本試験は、間口6mの雨除けハウスに、品種「シグナル」および「らるく」を、3月下旬〜4月上旬に10a当たり2200株を定植し、主枝2本仕立てで行った。
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[具体的データ]
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図1 障害果の時期別発生率(2005年)

図2 開花後の果実の肥大の推移と品質割合

図3 最高気温と尻腐れ果の発生率(2002年)

図4 栽培法別の障害果の発生割合(2003〜2005年)
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[その他]
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研究課題名:夏秋ピーマンの省力・軽作業栽培の確立とカラーピーマンの栽培技術確立
予算区分 :県単
研究期間 :2002〜2006年度
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