カラーピーマンの雨よけ栽培における有望品種の果実特性と整枝法
- [要約]
- 中果系のカラーピーマン「シグナル」の3色の果実は、A品率が共に揃って高く、1果重がほぼ同等であり、袋詰め出荷に適している。収量は、側枝3〜4節(葉数10枚)摘心の場合に多い。
- [キーワード]
- カラーピーマン、雨よけ栽培、品種、収量、品質、整枝
- [担当]
- 大分農林水産研野茶・野菜担当
[代表連絡先]電話0974-22-0671
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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中果系のカラーピーマンの出荷は、3色(赤・黄・橙)の果実を1果ずつ1つの袋に詰めており、3色の果実の形状、果重、大きさを揃えるためには、同一品種で高品質な果実の選定が必要である。また、カラーピーマンの流通量の90%は輸入物であり、国内での栽培技術は未確立である。そこで、雨よけ栽培において、高品質で多収性の品種を選定すると共に、収量性が高い整枝法を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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「シグナル」(財団法人日本園芸生産研究所)の3色(赤・黄・橙)の果実は、A品率が共に揃って高く、1果重がほぼ同等であり、袋詰めの出荷形態に最も適している。商品化収量は8〜10t/10a程度である(図1)。
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「シグナル」の果実は、3色共に果皮の凹凸が少なく、果形の曲がりが少なく、形状が揃っている(図2)。
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果重および果長は、着果数が少ない栽培初期で最も大きく、着果数が増加するにつれて次第に小さくなり、栽培後半に着果数が減少すると再び大きくなる。開花後の収穫日数は、栽培初期が57日程度で短く、その後8月にかけて徐々に長くなるが、再度9月にかけて短くなり、10月以降は再び長くなる(図3)。
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主枝2本仕立てにおいて、側枝を3〜4節(葉数10枚)で摘心した場合に増収し、主枝の第10節以降の側枝に着果させた場合は減収する(図4)。
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[成果の活用面・留意点]
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播種時期、定植時期、栽植様式、仕立て本数、誘引法、着果法、労働時間および経営評価は、研究成果情報第19号参照。
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単色で出荷する場合には、「らるく」および「E49(長)」も適している。
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[具体的データ]
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図1 中型カラーピーマンの収量、品質および1果重

図2 品種別果形(2005年)

図3 果実の肥大特性と開花後収穫日数(シグナル)

図4 各試験別収量
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[その他]
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研究課題名:夏秋ピーマンの省力・軽作業栽培の確立とカラーピーマンの栽培技術確立
予算区分 :県単
研究期間 :2002〜2006年度
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