諫早湾干拓地における夏秋ギク「岩の白扇」の窒素施肥量
- [要約]
- 諫早湾干拓地における夏秋ギク「岩の白扇」の栽培では、初期段階に2L規格50%以上を確保するためには基肥窒素30kg/10aが必要であり、栽培3年目以降は基肥窒素20kg/10aでも基肥窒素30kg/10aと同等の2L規格が得られる。
- [キーワード]
- 諫早湾干拓、初期営農、夏秋ギク、窒素施肥量
- [担当]
- 長崎総農林試・企画経営部・干拓科
[代表連絡先]電話0957-35-1272
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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諫早湾干拓地では環境保全型農業を前提としており、初期干拓土壌における夏ギク「岩の白扇」の栽培において目標とする品質(草丈90cm以上、切り花重65g以上)を確保しつつ、環境に負荷の少ない基肥窒素施肥量を検討する。
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[成果の内容・特徴]
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年次別の生育では、最初の2ヶ年は収穫時草丈の平均が90cm程度だが2004年以降は100cmを超えている。(表2)。
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出荷規格割合については、基肥窒素30kg/10aでは3ヶ年とも2L規格が55%以上となり、基肥窒素20kg/10aでは最初の2ヶ年は30%程度だが、3年目以降は概ね50%以上の2L規格が得られる。(表3)。
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収量の安定を考えると基肥窒素30kg/10aだが、環境保全型農業の面からは3年目以降は基肥窒素20kg/10aで良い。
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[成果の活用面・留意点]
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諫早湾干拓地営農指針策定の基礎資料とする。
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施肥方法はほ場内均一全面散布とする。
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栽植及び栽培方法は長崎県農林業基準技術(平成11年1月)に準じ、堆肥は2t/10a投入。
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[具体的データ]
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表1 夏秋ギク「岩の白扇」の栽培概要

表2 基肥窒素量の違いによる年次生育

表3 基肥窒素量の違いによる年次出荷規格割合
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[その他]
- 研究課題名:2)諫早湾干拓営農対策試験(2)営農対策試験
作物施肥試験
- 予算区分 :県単
- 研究期間 :2002〜2005年度
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