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沖縄地域の電照抑制栽培に適する秋小ギク2品種


[要約]
沖縄地域において冬春季の電照抑制栽培に適する秋小ギク「沖の寿」、「沖の白寿」を育成した。「沖の寿」の花色は濃黄色、「沖の白寿」は白色である。両品種とも開花揃いに優れ、一斉収穫が可能で、マメハモグリバエの被害が少ない。

[キーワード]
秋小ギク新品種、沖縄地域、電照抑制栽培、一斉収穫、マメハモグリバエ抵抗性

[担当]
沖縄農研・野菜花き班

[代表連絡先]電話098-840-8506	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
沖縄県は、冬春季の温暖な気象条件を生かして露地での秋小ギクの生産が盛んであるが、農家経営の実態は種苗使用許諾料の負担や単価の低迷などで厳しさを増している。産地強化のため、既存品種より生産性が高く、市場評価が高いオリジナル品種の育成が重要である。

[成果の内容・特徴]
「沖の寿」と「沖の白寿」は、2002年度に沖縄県農業研究センターで交雑した実生集団の中から選抜した。2003〜2005年度に系統選抜試験及び生産力検定試験、現地適応性検定試験を実施した結果、既存品種より総合的に優れていると評価された。両品種の特性は以下のとおりである(表1表2表3)。

「沖の寿」
花は濃黄色で、花形は抱咲き。葉色は濃く、葉形は小さい。到花日数は50日前後と短く、開花揃いが良い。特に目立つ病害虫の発生はなく、マメハモグリバエの被害も少ない。

「沖の白寿」
花は白色で草姿が良い。花の大きさは「沖の白波」より小さく緑芯気味である。開花揃いも良い。到花日数は49〜53日で、伸長性に優れる。マメハモグリバエの被害は少ない。

[成果の活用面・留意点]
  1. 両品種とも冬春期(12月〜4月)出荷作型の電照抑制栽培に適する。

  2. 「沖の寿」は排水不良圃場では開花・品質が不揃いになり易い。高畦栽培や排水良好な圃場での栽培が好ましい。

  3. 「沖の白寿」は葉が薄い。黄化を発生させないように灌水、排水等に留意する必要がある。

[具体的データ]

表1 「沖の寿」と「沖の白寿」の到花日数及び切り花特性


表2 「沖の寿」と「沖の白寿」の切り花収量及び特性評価


表3 現地適応性検定試験における「沖の寿」と「沖の白寿」の結果

[その他]
研究課題名:秋小ギクの品種育成
予算区分 :県単
研究期間 :1992年度〜


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