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メロン幼苗期における水ポテンシャルと分光反射特性の関係


[要約]
樹木の場合、水分ストレスを与えるとレッドエッジは青波長側へ移行するが、幼苗期のメロンは、水分ストレスを与えると葉色は濃くなりレッドエッジは赤波長側へ移行する。このときレッドエッジの赤波長側への移行と水ポテンシャルの移行には高い相関がある。

[キーワード]
メロン、水ポテンシャル、レッドエッジ

[担当]
長崎総農林試・作物園芸部・野菜科

[代表連絡先]電話0957-26-3330	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]研究・参考	

[背景・ねらい]
メロンやミカンなど高糖度の果実生産が要求される作物では、水切りを行い果実糖度を上げるが、栽培中の作物の水分状態の把握は、栽培者の勘に頼らざるを得ない。そこで、圃場で簡易に水分ストレスが測れるよう、長崎県工業技術センターが緑葉のレッドエッジ波長の変化を応用した非破壊の水分ストレス計測機を開発している。レッドエッジとは緑葉は赤色の光を良く吸収し(反射率は低い)、近赤外光を強く反射する。この低い反射率から高い反射率への変化域をレッドエッジという。現在、木本植物についてはストレスがかかると、レッドエッジ波長は青波長(短波長)側へ移行する現象が知られている(図1)。そこで、メロンなど草本類に水分ストレスを与えた場合、この現象が起きるか検証するため、外的要因(気象、肥効等)の影響を極力受けていない段階であるメロンの幼苗期における水ポテンシャルと分光反射特性との関係を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 幼苗期(第1葉展開期)のメロンに水分ストレスを与えると、水ポテンシャルの減少に伴いレッドエッジは赤波長(長波長)側へ移行する(図2)。

  2. 幼苗期のメロンは灌水をやめると葉色は濃くなる(図3)。また、水ポテンシャルとレッドエッジには高い相関がある(図4)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 生育期に利用できる草本用非破壊式水分ストレス計測機の開発に活用。

[具体的データ]

図1 レッドエッジ波長の変化


図2 幼苗期における水ポテンシャルとレッドエッジの推移


図3 葉色の変化(SPAD-502使用)


図4 水ポテンシャルとレッドエッジ

[その他]
研究課題名:非破壊検査手法を取り入れた農作物の高品質栽培技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2003〜2005年度


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