発光ダイオードの補光によるスイートピーの切り花品質向上
- [要約]
- スイートピーの茎頂部の展開葉を中心に、発光ダイオードを用いて赤(660nm)及び青(450nm)の波長域の補光をすると、切り花のステムがしっかりした状態で伸長促進され、品質が向上する。
- [キーワード]
- スイートピー、補光、発光ダイオード(LED)
- [担当]
- 大分農林水産研花き・花き担当
[代表連絡先]電話0977-66-4706
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]研究・参考
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[背景・ねらい]
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大分県はスイートピーの主産県であるが、例年、需要期の11月下旬から2月にかけて天候不順の影響による落蕾、開花遅延など品質及び生産性が低下し、その対策が生産現場の大きな課題となっている。そこで、落蕾抑制効果が高いとされる高圧ナトリウムランプよりも消費電力量の少ない、発光ダイオード(LED)での補光について検討する。
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[成果の内容・特徴]
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寡日照条件下で、茎頂部の展開葉を中心に赤(660nm)及び青(450nm)の波長域の発光ダイオードを用いた200ルクス程度の補光を行うと、切り花のステムがしっかりした状態で伸長促進され、ボリューム感が増し品質が向上する(表1、表2、表3)。
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発光ダイオード区は、4輪着蕾した切り花が多く、平均開花輪数は他区よりやや多い(表1)。
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高圧ナトリウムランプによる4,000ルクス程度の補光区は、茎頂葉の展開速度が速く(データ省略)、切り花数が増加する。しかし、開花輪数が少なくステムが短いことから他区より品質が劣る(表1)。
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[成果の活用面・留意点]
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供試した発光ダイオードのユニットは、市販の単体の発光ダイオードをプリント基板にハンダ付けして作成したが、高コストになるため、安価な農業向け製品の開発と販売が望まれる。なお、茎頂部への照射システムの開発と水滴や農薬の付着などに対する構造的な工夫も必要である。
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[具体的データ]
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表1 切花本数と品質(2005年12月30日〜2006年3月20日)

表2 寡日照期の切花本数と開花輪数(調査期間:12月30日〜2月6日)

表3 切花の規格別発生割合(調査期間:12月30日〜2月6日、単位:%)

表4 期間別補光時間
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[その他]
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研究課題名:スイートピーの栽培法改善による年内収量安定化技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2005〜2006年度
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