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葉打機内の茶葉付着量軽減のための主軸回転数設定法


[要約]
葉打機内への付着が予想される濡れ葉や深蒸し茶は、葉打機主軸回転数を前工程の10分間程度、標準回転数の2割程度少なく設定することで付着量が減少する。またその後回転数を戻すことで工程時間の延長が抑えられる。

[キーワード]
チャ、葉打機、濡れ葉、深蒸し茶、主軸回転数

[担当]
鹿児島農総セ・茶業部・加工研究室

[代表連絡先]電話0993-83-2811	
[区分]九州沖縄農業・茶業	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
葉打工程では深蒸し葉や濡れ葉等で表面が湿潤状態のため、製茶機械への茶葉の多量の付着がみられ、歩留まりが低下する。また連続操業時においては、水色の濁りの原因となる他、香味の低下を招く。これは蒸葉が過剰に湿潤状態であることに加え、主軸の打圧により茶葉中の汁液の出し過ぎが影響していると考えられる。
ここでは葉打機主軸回転の設定が茶葉付着量と乾燥特性に与える影響を調査し、より適正な設定法を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 深蒸し葉では、葉打機主軸回転数が多い程、乾燥速度は大きいが葉打機内の茶葉付着量が多い(表1図1図2)。

  2. 葉打機内の茶葉付着量は、葉打前工程で主軸の回転数を標準より2割程度少なくし、後工程で標準に戻すことで減少する。また、乾燥速度は、後工程で大きくなり全体の熱効率の低下が抑えられる(表2)。

  3. 葉打機主軸回転数を少なくする前工程時間は、茶葉表面の付着水が減少し、茶温が上昇し始める10分程度である。

[成果の活用面・留意点]
  1. 本設定法は、茶葉表面に水分が多い濡れ葉や深蒸し葉で適用する。

  2. 連続式葉打機や蒸葉処理機が導入されている工場では適用しない。

  3. 粗揉機の台数が多く、後工程を設定できない場合は、葉打機の取り出し程度が高水分となるので、粗揉機の前工程の風量を増やす。

[具体的データ]

表1 葉打主軸回転数と乾燥特性(平成15年一番茶,深蒸し葉)


表2 葉打主軸回転数と乾燥特性(平成16年)


図1 工程終了後葉打機内(42rpm,付着量:2.2kg)


図2 工程終了後葉打機内(35rpm,付着量:0.9kg)

[その他]
研究課題名:生葉水分に応じた蒸熱、葉打技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2001〜2004年度


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