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窒素施肥量10a当たり50kgの茶園での土壌中無機態窒素の推移と生産性


[要約]
二番茶後浅刈りを行う年間窒素施肥量50kg/10aの茶園において、土壌中無機態窒素含量は4〜5月に25mg/100g前後で最多となり夏期に減少後、秋冬期は低い値で推移し、一番茶は450kg/10a(全窒素含有率5.9%)、二番茶は540kg/10a(全窒素含有率4.8%)程度の収量が得られる。

[キーワード]
チャ、浅刈り、窒素施肥量、無機態窒素含量、収量、全窒素含有率

[担当]
佐賀茶試・製茶研究担当

[代表連絡先]電話0954-42-0066	
[区分]九州沖縄農業・茶業	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
生産現場で最も行われている二番茶までの摘採条件下で、収量及び品質を高位安定させるための合理的な施肥及び枝条管理技術を体系化した場合の土壌中無機態窒素含量の推移及び生産性について検証する。

[成果の内容・特徴]
  1. 土壌中無機態窒素含量は4月から5月に25mg/100g前後で最多となり、その後6月から9月にかけて減少し、秋冬期は2〜9mg/100gの低い値で推移する(図1)。

  2. 4ヵ年の一番茶収量の平均は445±45kg/10a、全窒素含有率の平均は5.9±0.1%であり、二番茶収量の平均は539±109kg/10a、全窒素含有率の平均は4.8±0.3%である。窒素収奪量の平均は一番茶が5.44±0.6kg/10a、二番茶が5.71±0.9kg/10aであり、生産性が維持される(表4)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 二番茶後浅刈りを行う年間窒素施肥量50kg/10a条件で肥培管理を行う場合の参考となる。

  2. 一、二番茶ともにバロンスクリーンによる直接被覆(遮光率70%、一番茶:約9日間二番茶:約6日間)を行った。

  3. 1989年定植の「やぶきた」を用い、1999年から表1の施肥管理を行い、2002年から表2の枝条管理とした。

  4. 肥料は畝間(幅30cm)のみに施用し、土壌サンプルは畝間の深さ20〜30cmから採取した。

  5. 土壌条件は細粒黄色土で、化学性は表3のとおりである。

[具体的データ]

表1 施肥管理の内訳


表2 二番茶後の枝条管理


表3 土壌の化学性(2005年7月調査)


図1 土壌中無機態窒素含量の推移


表4 収量、全窒素含有率及び形質

[その他]
研究課題名:茶生産情報に基づく管理技術モデルの作成
予算区分 :県単
研究期間 :2003〜2007年度


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