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九州北部平坦部の水稲におけるフタオビコヤガの発生と被害


[要約]
九州北部の水稲におけるフタオビコヤガ成虫の誘殺は、7月以降から顕著で、7〜8月にピークとなり、9月上旬以降終息する。また、本田における幼虫の発生と被害は8月中下旬頃に急増し、被害程度は、「ヒノヒカリ」よりも「ヒヨクモチ」で著しく大きい。

[キーワード]
九州北部、平坦部、水稲、フタオビコヤガ、予察灯、発生消長、被害

[担当]
佐賀農業セ・土壌環境部・病害虫農薬研究担当

[代表連絡先]電話0952-45-2141	
[区分]九州沖縄農業・病害虫	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
近年、九州北部において、これまで山間山麓が主であったフタオビコヤガの被害が、平坦部でも拡大している。九州地域における本種の発生生態については不明な点が多く、防除適期も明らかにされていない。そこで、当地域におけるフタオビコヤガの発生生態を明らかにするために、発生消長と水稲の被害を調査する。

[成果の内容・特徴]
  1. フタオビコヤガ成虫は5月〜7月に誘殺され始める。誘殺は7月以降に増加し、7月下旬から8月にかけてピークとなり、9月上旬以降終息する(図1)。

  2. 本田の水稲におけるフタオビコヤガ幼虫の寄生は、7月中旬頃に認められ始め、8月中下旬頃の短期間に急増し、8月下旬以降は激減する(表1表2)。また、被害も幼虫の発生が顕著となる8月中下旬頃から急激に進展し、同時期以降は停滞する。

  3. 幼虫による被害(面積)は、予察灯における成虫誘殺の急増時期からやや遅れ、8月中下旬頃に拡大する(図1表1表2)。

  4. フタオビコヤガ幼虫による水稲の被害は、「ヒノヒカリ」、「ヒヨクモチ」ともに認められ、その程度は「ヒヨクモチ」で著しく大きい(表1表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 幼虫の発生が認められ、食害が進展する場合は、早急に薬剤防除を実施する。

[具体的データ]

図1 予察灯によるフタオビコヤガ成虫の誘殺消長


表1 本田におけるフタオビコヤガ幼虫と被害の発生推移(2005年)


表2 本田におけるフタオビコヤガ幼虫と被害の発生推移(2006年)

[その他]
研究課題名:発生予察事業
予算区分 :国庫
研究期間 :2003〜2010年度


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