秋まき露地ホウレンソウの減肥栽培
- [要約]
- 秋まきホウレンソウ栽培では、被覆燐硝安加里を全量基肥で慣行の2割減らすか、基肥を減らして追肥の回数と量を多くし、総窒素施肥量を3割減らしても慣行と同等の収量が得られる。いずれの場合にも施肥窒素利用率が向上する。
- [キーワード]
- ホウレンソウ、減肥、被覆肥料、施肥窒素利用率
- [担当]
- 福岡農総試・土壌・環境部・施肥高度化チーム
[代表連絡先]電話092-924-2939
[区分]九州沖縄農業・生産環境
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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ホウレンソウをはじめとする露地野菜の栽培では、基肥を重点に施用する方法が一般的である。しかし、生育初期の窒素吸収量は極めて少ないため、施肥窒素は吸収されずに流亡することが懸念される。そこで、被覆肥料、基肥削減、追肥重点による露地での秋まきホウレンソウにおける窒素減肥栽培法を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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秋まき露地ホウレンソウ栽培において、被覆燐硝安加里を用いて全量基肥施肥を行った場合、収量は2割減肥しても、慣行と同等となりかつ追肥の労力が省略できる(表1)。
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基肥の窒素施用量を4kg/10a減らした場合、収量は慣行と同等となる(表1)。
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基肥を慣行より減らして追肥の回数および量を多くした場合、総施肥量を3割減らしても、収量は慣行と同等で、施肥窒素利用率が向上する(表1)。
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栽培終了時土壌の無機態窒素含量は、いずれも5mg/100g以下となる(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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利用率の高い施肥法を開発するための資料とする。
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本成果は、12月の気温が平年より摂氏3度高く、12月および2月の降水量が平年の約1.5倍であった平成17年度の結果であり、栽培年度における気象条件は次のとおりである。
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[具体的データ]
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表1 秋まき露地ホウレンソウの窒素減肥栽培の効果

表2 秋まき露地ホウレンソウ収穫時土壌の化学性
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[その他]
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研究課題名:窒素ゼロエミッション型農業技術の確立
予算区分 :国庫(土壌保全)
研究期間 :2004〜2005年度
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